元クリスタルキング田中昌之 北斗の拳のおっちゃんは生涯ロック!再集結は「ない」

冬枯れの街角でロック魂を語る元クリスタルキングの田中昌之=都内(撮影・開出牧)
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 黒々とした髪に彫りの深いマスク。1979年、「大都会」の大ヒットから39年の時を経ても若々しいルックスに驚かされた。66歳になったクリスタルキングの元ボーカルで歌手の田中昌之は「俺は生涯ロック。体型もスタイルも変わらないように頑張っていますよ」と自慢のロングヘアをなびかせた。

 変わったといえば、その声だろうか。「3オクターブの美声」と呼ばれたハイトーンボイスは、アダルトなハスキーボイスへと変わっていた。「草野球でイレギュラーした打球がのどに当たった」と故郷・佐賀のイントネーションが残る九州弁で振り返った。

 1989年、軟式球をのどに当て声が出なくなった。「3カ月ぐらい出なくてCTも撮影したが、どこも悪くないと…今ではあの声で歌っている夢を見るんですよ。昔の声が出ていればという悔しさはありますね。でも出ないものは仕方がない」と唇を噛んだ。

 “声変わり”したとはいえ、ロックへの情熱は冷めることはない。2016年には洋楽カバーアルバム「It,s My Life」を発売。3月23日には東京・目黒Blues Alley Japanでソロライブも控える。2011年3月に急性心筋梗塞で倒れ、「歌に対する考え方が変わった。歌える限りは1分1秒を気持ち抜くことなく歌おうと。この至福の時間を1日でも長くやりたい」と生涯現役へのこだわりを明かした。

 歌い続けていることでこんなエピソードもあった。1984年に発表した「愛をとりもどせ!!」はアニメ「北斗の拳」のオープニング曲やパチスロ機に使用され、若い世代にも浸透。「クリスタルキングとしての代表曲は大都会と思っているんだけど、子どもに“北斗の拳を歌っているおっちゃんやで”と言うと急にリスペクトしてくる」と笑った。

 私生活では、最高11匹もの猫を飼っていたという愛猫家の顔も持つ。「家にいる時はにゃんことまったりしているのが一番幸せ。パジャマのままでぽけーっとしている」という。

 一方で野球愛は変わらず熱い。大ファンである巨人の敗戦で「テレビを3台ぐらい壊した」ことも。今年の楽しみは、巨人もさることながら、23日に開幕するセンバツ大会に故郷の佐賀・伊万里市から県立伊万里高校が21世紀枠で出場すること。昨年10月から同市の観光大使を務める田中は「5万人の街から甲子園に出る選手は俺たちの誇り。応援にも行く」と鼻息は荒い。

 そしてインタビューの最後、田中に聞いてみた。クリスタルキングが再結集することはないのかと。「高い声が出ないのだからもう元のようにはできない。ファンは求めていると思うがやりようがない。(オリジナルメンバーの)ドラマー金福健も(2014年に)亡くなった。永久にあり得ない」。(デイリースポーツ・中村博格)

 ◆田中昌之(たなか・まさゆき)佐賀県出身、66歳。クリスタルキングのボーカルとして1979年、シングル「大都会」でデビュー、150万枚の大ヒットを記録。86年にグループを脱退し、ソロとして活動。ウルトラマンガイア、仮面ライダークウガのオープニング曲を担当したほか、97年にはポッカコーヒーのCM「クリスタルブラック」に自ら出演し、話題を集めた。3月23日には目黒Blues Alley Japanでソロライブを控え、「大人のステージでロックの楽しさを伝えたい」と意気込んでいる。

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