高尿酸血症は「成人病5大疾病」に入れてもおかしくない→血中高尿酸状態が長く続く→脳卒中の原因にも

 成人病4大疾病とは、がん(悪性新生物)・心疾患(狭心症・心筋梗塞)・脳血管疾患(脳梗塞・脳出血)・糖尿病、の4つですが「高尿酸血症」とその発作である痛風を入れて、5大疾病にしても良いと私は考えています。

 痛風は、血液中の尿酸という物質が多くなり高尿酸血症、関節内に結晶を作って、多くは足の指のつけ根に激しい痛み(痛風発作)を起こします。発作時は鎮痛剤で痛みを押さえますが、根本的には血中の尿酸を減らさねばなりません。血中高尿酸状態が長く続くと、腎臓と心臓をじわじわと蝕み、人工透析や心筋梗塞、脳卒中の原因にもなる恐ろしい病気なのです。

 尿酸の元となるのはプリン体という物質で、これはレバーや干し魚などに多く含まれます。ですが尿酸の約2割がプリン体から造られ、残り8割はブドウ糖から合成されますので、高カロリーつまり糖分の多い食事が高尿酸血症の一番の原因となります。食べ過ぎはもちろん、果物の過剰摂取も尿酸値を上げる大きな要因です。確かに果物は体に良い食物ですが、実は「良すぎる」のです。

 ビールにはプリン体が多く含まれており痛風に悪いと言われます。一方で焼酎はプリン体が含まれていないので問題ないと言われますが、これも間違いです。アルコール摂取は肝臓での尿酸合成を促進し、プリン体の尿中排泄も妨げます。ですから焼酎であろうが何であろうが、高尿酸血症の人はアルコールを飲んではいけません。わたしは痛風の患者さんには、アルコールと果物の摂取制限を勧めます。プリン体カットの発泡酒を飲むだけで痛風を予防できるものではないのです。

 適度な運動もカロリー消費という点で非常に大事ですし、十分な水分補給も必要です。ただし、尿酸値は運動ではほとんど下がりません。高尿酸血症は遺伝的要素が強く、運動よりもバランスの良い食事、また尿をアルカリ性にするための野菜摂取が重要です。その昔「痛風はビールを飲みながらでも治る!」という本がありました。誤解されやすいタイトルですが、中身は真っ当なもので、同様の内容が書かれていました。キャッチコピーに目を引かれず、しっかり食事制限に努めてください。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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