クシャミをするとなぜ鼻水が出る?「それ、逆です」→医者の答にびっくり!なぜ中年男性のクシャミは大きく女性は小さいのか
読者の方からご質問をいただきました。「なぜ、クシャミをすると鼻水が出るんですか?」…ではお答えを。「それ、逆です」。鼻水が刺激になり、クシャミが出るのです。クシャミは、鼻の粘膜が刺激を受けたときに起こる、体の防御反応です。鼻から入ってきたホコリ、花粉、ウイルスなどの異物を、強い空気の流れとともに体外へ排出しようとする反射運動です。ちなみに医学用語ではクシャミのことを「噴嚔(ふんてい)」と称しますが、知らなくてもいい知識です。
クシャミ自体は、体を守るための重要な生理現象なのです。この反射的な反応によって、気道が浄化され、感染などから体を守っています。大量の空気を一気に吸い込み、それを瞬間的に強く吐き出すことで異物を除去するとき、肺から送り出される空気は時速100kmとも言われています。鼻腔内に鼻水が多くたまっていると、空気と一緒に鼻水も排出されます。
花粉症は、スギやヒノキの花粉を排出しようとして鼻水の分泌量が増加し、クシャミという強い排出動作によって鼻水が勢いよく飛び出します。カゼを引いた時に出るクシャミは、炎症で鼻粘膜が腫れて鼻水が増え、それを排出するために出ます。他に、日常生活でも刺激物がクシャミを誘発します。香水や芳香剤の強い香り、冷たい空気、明るい光(光クシャミ反射)などです。鼻粘膜を直接刺激し反射的にクシャミがでます。
この読者の方、実はもう一つ、「なぜオッサンのクシャミはデカいのですか?」というご質問。クシャミの音や強さは、その人の鼻や喉など気道の構造、息を吐く筋力、そして心理的な要因もあります。中年男性、いわゆるオジサンのクシャミの音が大きいのは、肺活量の大きさと、呼吸筋が発達しているから、と考えてください。女性は男性に比べて呼吸筋が少なく、クシャミ前に吸う空気量も少ないので「クシュン」といったクシャミになります。女性の場合、派手なクシャミは恥ずかしい、という心理も働いているはずです。
◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。
