若い人たちも油断してはいけない熱中症

 最近はすっかり暖かくなり、昼になると真夏日になることもあります。気を付けないといけないのが、熱中症です。高齢者ばかりに目が行きがちですが、中高生、大学生など若い人たちも油断をしてはいけません。

 運動や外出をしている時などは要注意です。めまい、倦怠感、嘔気、頭痛、動悸、ひどくなると意識障害が起きてきます。知り合いのご子息も熱中症になり命を落としかけたことがあります。

 彼が高校生の時の話です。クラブの途中に症状を認め、顧問の先生に体調不良を訴えると一人で帰宅させられました。バレー部の強豪校で学校の近くに下宿をしていたのですが、帰宅途中に意識障害を来たし、目も見えなくなりました。下宿に着いたときには、記憶もなくなり、どうやって帰宅したのか、覚えていない状態でした。

 奥様から知り合いに連絡があり、急遽下宿に向かい点滴などの治療をしたので大事には至りませんでしたが、あのまま寝ていれば、この世にいなかった可能性もあります。高齢者はさらに気を付けないといけませんが、若者も注意を要する病気です。

 コロナが5類感染症になり、野外活動も本格的になってきました。私は新幹線に乗る機会が多いのですが、新大阪駅の混み具合もコロナ禍と比べると別世界です。外国人の方も多く見受けられます。コロナ禍の時とは何もかもが別世界になってきています。

 屋外、屋内活動が活発化することで、コロナ禍に少なくなっていた若者の熱中症などが増えてくる可能性があります。運動に熱中するあまりに、熱中症、脱水になっていることに気が付かない生徒さんもたくさん出てくるでしょう。顧問の先生には命に関わる危険な病気であることを十分に認識して頂いた上で、好成績を目指して欲しいものです。

 ◆谷光利昭(たにみつ・としあき)兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。デイリースポーツHPで「町医者の独り言」を連載中。

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