「死後の世界」は存在するのでしょうか?

 私は無宗教ですが、先日母の一周忌を迎え手を合わせにお寺さんに行きました。人は亡くなったあとに、どうなるのでしょうか?本当のところは誰にも分かりません。

 この問いに対する面白い本があったので紹介したいと思います。「死は存在しない」というタイトルです。一見すると私はあまり読まない領域ですが、作者が優秀な科学者である田坂広志さんなので拝読しました。

 例えば、医師100人に死後の世界は存在するか?と質問をしたら、公の場なら多くの医師が否定するのではないでしょうか?では、否定した人はお墓参りをしたり、お仏壇に手を合わせないでしょうか?お墓参り、お仏壇に手を合わせることが、死後の世界を肯定するものではないとしても我々の心のどこかには、死後の世界に対する淡い期待のようなものがあるのではないでしょうか。

 この本では、量子科学という最先端の科学を利用して、現実社会、死後の世界について大胆な仮説を立てています。我々が物質と思っているもの、金属、水、木、肉体などすべてが実はエネルギーの波動であるのです。例えば、人間のカラダは60%から80%が水でできていますが、それを構成する水素原子をとって解説すると、原子の大きさを甲子園球場とすると原子核は大体1円玉からボールほどの大きさのようです。

 つまり、それ以外の原子でも同様の状態であり物質そのものは、量子力学の世界では、ほとんどが空間です。しかし、そこにはエネルギーが介在しています。この量子科学を用いて死後の世界を誰でも理解できるように解説されています。

 また、死後の世界のみならず現実世界での心のあり方、生き方の指標を示されています。さて、「死後の世界」は存在するのでしょうか?ぜひ本書を読んで頂き、ご自身で判断してみてください。

 ◆谷光利昭(たにみつ・としあき)兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。デイリースポーツHPで「町医者の独り言」を連載中。

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