本当に大丈夫!?我が国「食」の安全神話

 「旅行先で生野菜を食べてはいけません。あなたのお身体を悪くする危険があります」。海外旅行の際に旅行会社から、このような注意を受ける国があります。その国はどこでしょうか?以前にも記載しましたが、わが国日本です。

 果たして危険なのは生野菜だけなのでしょうか?残念ですが、我々の周りは農薬まみれの食べ物があふれています。食料自給率が低い割に農薬の使用量は世界でトップクラスに位置しています。

 農業において最近多用されている「ネオニコチノイド」は神経毒性のある農薬です。無味無臭で植物に浸透して、洗っても農薬は残留します。そのために国は残留農薬の濃度を決めて人体に有害がないように決めているようです。

 そもそも虫が食べて死ぬようなものを人間が食べて大丈夫なの?と個人的には思ってしまいます。少量なら大丈夫、国が決めているから安心ですよ、という声がたくさんあります。本当に大丈夫なのでしょうか?

 日本の残留農薬の基準値は諸外国と比較すると非常に高濃度です。EUの残留農薬の基準と比べてみます。イチゴは60倍、リンゴと梨は1・25倍、ぶどうは10倍、茶葉にいたっては600倍です。ですから日本のお茶を輸出できない国もあります。随分前に緑茶を大量に飲んで行うダイエットが流行したようですが、原因不明の体調不良となり病院に通う人がいたという話も聞きました。無関係ならいいのですが…。

 国の言い分では、哺乳類と昆虫は違うので、生体に影響はないとのことです。しかし、そうなのでしょうか?日本においては、諸外国で禁止されている農薬なのに使用が認められているものもあります。日本における食の安全神話、本当に大丈夫ならいいのですが…。

 ◇谷光利昭(たにみつ・としあき)兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。デイリースポーツHPで「町医者の独り言」を連載中。

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