新型コロナ、日本人の「ファクターX」は緑茶? 茶カテキンがウイルス感染予防、不活化に効果という論文も

 まだ総括するには時期尚早でしょうが、日本における新型コロナウイルスによる人的被害は、諸外国と比べて極めて低かったことは異論のないところです。いま海外ではオミクロン株が猛威を降るっており、感染者が急増しています。お隣の韓国は、人口が半分ですので日本に換算すると、毎日1万人が感染し、100人の死者が出ている計算になります。日本では昨夏のピーク時で1日の感染者2万5千人、1日の死者88人でした。

 日本でコロナ感染者・死亡者が少ない理由は分かっていません。BCGという説もありましたが、京都大の山中先生は「ファクターX」と呼んでおられます。要は「よく分からん」と言うことです。最新の論文で、日本人の約6割にある白血球の型「HLA-A24」がファクターXかもしれないという報告がありましたが、それだけではないでしょう。韓国は人種も食生活も衛生状態も日本とかなり近いので、コロナに関しても同じような結果がでるはずですが、実際にはまったく違います。では韓国にあって日本にないもの。それは「緑茶」です。

 日本人は緑茶をよく飲みますが、韓国人はほとんど飲みません。緑茶による新型コロナウイルスの不活化効果や、茶カテキンがウイルスの感染予防、不活化に効果があるという論文が相次いで発表されています。茶カテキンがウイルスのスパイク蛋白に結合し細胞への感染力を低下させ、ウイルスそのものに対しても不活化が認められたそうです。ただしその論文で使用した新型コロナウイルスは変異株ではないウイルスで、オミクロン株などの変異種に対する効果は不明ですが、ファクターXの正体は「緑茶」ではないか、というのが私がたどり着いた結論です。

◆松本 浩彦 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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