【尾原徹司医師】くしゃみに鼻水…コロナ感染防止のためにも早め早めの花粉症対策を

 スギ花粉の季節がいよいよ到来。前年を上回ると予測されているスギ花粉の飛散量が気になるところです。今年はコロナ禍でもあり、花粉症の症状であるくしゃみや鼻水などが周りを警戒させ、また花粉症の人がコロナになった場合は、くしゃみなどによる飛沫を懸念する声もあります。それだけに花粉症対策は、これまで以上にしっかりしておきたいものです。

◆春のスギ花粉飛散量は昨年より増加しそう!

 日本気象協会によりますと、花粉の飛散は2月上旬から始まり、3月は各地でスギ花粉がピークになるといいます。それだけでなく、飛散量は九州から関東で前シーズンより多いと予想されています。

 日本で最も多い花粉症の原因がこのスギ花粉なので注意が必要です。このスギをはじめ、ヒノキやブタクサ、イネなどさまざまな花粉が鼻の粘膜や目の結膜を刺激することでアレルギー反応を引き起こすのが花粉症の大きな特徴です。

 原因となる花粉が飛ぶ時期だけ症状が現れる人が多いのですが、中には複数の花粉に対してアレルギーを持っている人も少なからずいて、長期間にわたりくしゃみなどの症状に苦しんでいる人もいます。

◆花粉症の症状とは?

 くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆい、目の充血、涙が出る…といった症状が花粉症の特徴です。他にも、頭がボーッとしたり、頭痛があったり、ノドや皮膚のかゆみ、だるさ、不眠などを訴える人もいます。花粉症は集中力や判断力の低下を招くこともあり、仕事や学業などに影響を及ぼしかねません。

 またコロナの症状と花粉症の症状で似ているところがあります。たとえば「咳がでる」「倦怠感がある」「頭が痛い」などは新型コロナウイルスの症状とも似ています。判断がつきづらい場合は、新型コロナウイルスサポートセンターなどに相談してみてください。

◆コロナ禍で、くしゃみや鼻水などの対策はしっかりと

 花粉症の季節となれば、通勤や通学時、電車の中などで症状である咳やくしゃみなどをすることもあるでしょう。コロナ禍で誰もが敏感になっているのが咳やくしゃみなどの症状。これらはコロナの飛沫感染の経路となり得るので、周りに警戒されるかもしれません。また知らないうちにコロナに感染し無症状の花粉症の人は咳やくしゃみで、周りの感染リスクを高めているかもしれません。

◆花粉症になるとコロナ感染の危険度アップ!?

 反対に、花粉症の人はコロナに感染する危険性が高まります。というのも、鼻水が症状の人は外でも頻繁に鼻をかむことが多くなり、マスクを外すことになります。あるいは、目のかゆみを感じて、手で目もこすりがちです。鼻をかむ時も、手で目をこする時も、コロナに感染しないようにくれぐれも注意してください。

◆予防にもマスクは必需品。花粉症の治療法は?

 花粉症の予防は「原因である花粉を浴びないこと」に尽きるのですが、それはなかなか難しいことです。そこで、予防するには以下を参考にしてください。

①スギ花粉飛散情報をチェックし、飛散がひどい時は外出を控えるなど、対策を立てましょう。

②マスクやメガネなどで花粉をガードしましょう。

③花粉がつきにくい、ツルツルした洋服などでカバーしましょう。

④花粉を家に持ち込まないように玄関の外で花粉をできるだけ払い落としましょう。室内に入れば着替えは素早く。うがいや目の洗浄、手洗いはしっかりとしましょう。

⑤こまめにお掃除して、家から花粉を排除しましょう。

⑥バランスのとれた食事、十分な睡眠、規則正しい生活を心がけましょう。

⑦予防も治療も早めにが大切です。

 花粉症の治療は、根気よく続けることが大切です。その花粉症の治療には「薬物療法」「手術療法」「免疫療法」などがあります。最近は花粉が飛散する前から治療を始めて、重症化を防ぐ「初期療法」を選択する人も増えてきています。治療に関しては素人判断せずに、専門医とよく相談して、自分にあった治療法を選びましょう。

◆尾原徹司 東京医科大学卒業。東京女子医科大学消化器病センターを経て、神戸鐘紡病院消化器科に赴任。昭和57(1982)年に独立し、医療法人社団つかさ会「尾原病院」(神戸市須磨区妙法寺荒打/神戸市営地下鉄西神山手線妙法寺駅徒歩3分)院長に。他に介護老人保健施設「コスモス苑」、「つかさ訪問看護ステーション」、「つかさ在宅ケアセンター」「人工透析センター」なども運営。

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