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【松本浩彦医師】気をつけてギンナン中毒 炒っても揚げても低下しない毒性…子供にはあまり食べさせないで

 ギンナンはイチョウの実の部分で、炒って塩をかけたり串焼きにすると、この時期、非常に美味しいものですが、実は毒性成分を含んでいます。その名も通称「ギンコトキシン」。ビタミンB6によく似た構造をもち、ビタミンB6の生合成、代謝、機能を妨げます。

 ビタミンB6は主にアミノ酸代謝やブドウ糖産生、脂質代謝に関わる補酵素ですが、とくに抑制性神経伝達物質であるガンマアミノ酪酸(GABA)を産生する際に働く重要な物質です。

 ギンナンを食べすぎると、嘔気や嘔吐を誘発し、最悪の場合、痙攣(けいれん)発作を起こします。ギンコトキシンがビタミンB6の働きを阻害し、GABAが産生されなくなるからです。GABAは脳神経の興奮を抑制させる物質ですので、それがなくなった結果、脳が異常興奮して痙攣を起こすのです。

 痙攣発作は特に小児で起こりやすく、子供にはあまり食べさせない方が良いかも知れません。成人でも70個ほどのギンナンを食べて痙攣発作が起こった報告がありますので、枝豆のような感覚で食べると危険です。

 ギンナン中毒の患者さんが来たら、治療はビタミンB6の静脈注射が最優先ですが、実際のところわれわれ医師でも、痙攣患者をひと目でギンナン中毒と診断するのは無理ですし、一般の診療所でビタミンB6の注射製剤を常備している施設はほとんどありません。

 ギンコトキシンは熱に強く、炒っても揚げても毒性は低下しません。中毒にならないためには、大量摂取を避けるしかありません。おもしろがって子供にたくさん食べさせるなど、決してしないようにお願いします。私はシンプルに塩で食べるのが好きですが、何事も節度を持って、少量を美味しくいただきましょう。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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