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【松本浩彦医師】秋になって「柿が赤くなると医者が青くなる」 現代人の生活様式から考えると…

 最近、諺(ことわざ)特集になっていますが「柿が赤くなると医者が青くなる」という諺があります。柿が赤くなる秋は天候がよいので体調を崩す人も少なく、医者は商売にならずに青ざめるという意味です。これはおそらく柿の健康効果も手伝って生まれた諺です。

 秋の果物にはビタミンCが豊富に含まれており、さらに利尿作用のあるカリウムも多く含まれているため、体に良いことは事実です。また農家ではちょうど収穫期を迎え、多少体調が悪くても病院に行く暇がないほど忙しいことも医者が青くなる要因だったと考えられます。

 ただ、今のコロナ禍は別として、現代では、秋になるとインフルエンザの予防注射を受けに来る患者さんや、鼻カゼに、ブタクサ・ヨモギなどによる秋の花粉症、スポーツの秋とも言いますので、捻挫や骨折が多いのもこの季節です。

 また「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、秋分を過ぎると朝夕は涼しくなります。季節の変わり目に体調が崩れやすいのは、ホルモンバランスの乱れが原因です。シベリア気団と小笠原気団の進退で移動性高気圧が発達しやすく、メンタルヘルスにも悪影響があります。実は今の季節、医者は結構忙しいのです。

 昔は冷蔵庫もなかったため、夏の暑い時期は食べ物も腐りやすく、食中毒も多かったのでしょう。それが秋になると「馬が肥える」ほど食べ物も美味しくなりますので、夏に比べて人々が健康になるという、総じて言えば、昭和の中頃までの話なのです。

 他にも「柚子(ゆず)が黄色くなると医者が青くなる」とか「橙(だいだい)が赤くなれば医者が青くなる」という諺もありますが、これも現代人の生活様式から考えると、かなり異なる話ですね。

◆松本 浩彦 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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