【松本浩彦医師】胃袋が伸びないように鍛える「胃袋ダイエット」 医師が解説

 手術で胃を切除した患者さんは、みなさん痩せています。胃の容量が減り、食事量が減って体重も落ちるのです。肥満大国アメリカではこの原理を肥満治療に応用して、胃の大半を切除したりベルトで縛ったりして胃袋の容量を減らす「胃縮小手術」が行われています。なんとも荒っぽい治療です。でも、もし手術をせずに胃袋を小さくできれば、それに越したことはありません。

 私が提唱している「胃袋ダイエット」とは、手術を受けなくとも胃の容量を小さくして、過食できない体質に変えていく痩身法、いや、トレーニング法といったほうが良いかも知れません。

 重要なのは食事の「質」より「量」です。カロリーを気にする必要はありません。人間の胃袋は、空っぽの時は握りこぶし大、せいぜい150ccほどですが、鍛え方しだいで10リットルもの容量まで膨らむようになります。一度膨らみやすいクセがついた胃袋は、次に食べ物が入ったときには、同じもしくはそれ以上に膨らみます。これが過食の始まりです。肥満の、そして食べ過ぎの原因は、膨らみやすくなっている胃袋にあります。

 私はその「伸びやすい胃袋」が「過食トレーニング」によって作られたとしたら、逆の「減食トレーニング」で胃袋が伸びないように鍛え直すこともできると考えました。量さえ減らせば、好きなものを自由に食べてかまいません。

 胃袋ダイエットは、食べすぎて膨らみやすくなった胃を、半年かけて膨らみにくい胃に生まれ変わらせ、太りにくい体質にするトレーニング法です。そのために大切なことは食事の「質」ではなく「量」。胃袋に入れる食べ物の量をすべて減らすこと。これを半年間続ければ胃袋は確実に小さく生まれ変わります。

 ◆筆者プロフィール 松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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