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【谷光利昭医師】風疹を軽視してはダメ 妊婦は特にご注意を

風疹患者はついに千人を超えた。妊娠中に風疹になり、その後亡くなった娘の写真を掲げ、ワクチン接種を呼び掛ける可児佳代さん=11日、東京都中央区 (提供・共同通信社)
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 風疹の流行が大きな問題となっています。国立感染症研究所は10月16日に今年の累計患者数が1103人に達し、昨年1年間(93人)の約12倍と報告しました。患者は30~50代の男性が多いです。この世代の男性は国の制度変更によりワクチン接種が不十分で、抗体のある人の割合が低いためだと思われます。

 予防接種法上、男性が風疹の予防接種を受けられるようになったのは、1979(昭和54)年4月2日以降に生まれた人だからです。ただし、同4月2日から87年10月1日に生まれた男女は、学校での集団接種ではなく、保護者同伴での医療機関での予防接種であったために接種率が低いとされていました。

 そこで、2001年11月7日から03年9月30日までに限り、79年4月2日から87年10月1日に生まれた人に対して、1回だけ定期接種を受ける機会が設けられましたが、この接種率も低迷したようです。このため、接種がなされていなかった年齢層、接種率の低かった年齢層を中心に5年前の13年にも風疹が流行したのです。

 風疹は三日麻疹(はしか)と言われ、比較的予後が良好な疾患と捉えられがちですが、まれに脳炎、血小板減少性紫斑病などの軽視できない合併症を来すことがあります。

 さらに問題なのは、妊婦さん(妊娠20週頃まで)が罹患すると、胎盤を経由して風疹ウィルスが胎児に感染し、出生児が先天性風疹症候群になってしまう危険性があることです。三大症状として、白内障、心臓奇形、難聴があります。その他、小頭症、小眼球症、発達障害、低出生体重児、溶血性貧血、血小板減少症などの合併症もあります。決して軽視はできません。

 予防するには、風疹ワクチンの接種が一番です。男性はいつでも接種できますが、女性は風疹ワクチン接種後、2カ月の避妊が必要です。ただ、妊娠を知らずにワクチンを接種したとしても、妊娠継続を諦める必要はありません。不明な点があれば、医療機関に問い合わせることをお勧めします。

 ◆筆者プロフィール 谷光利昭(たにみつ・としあき)兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。外科医時代を経て、06年に同医院開院。診察は内科、外科、胃腸科、肛門科など。デイリースポーツHPで「町医者の独り言」を連載中。

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