【松本浩彦医師】食べ合わせ「わかめ&ネギ」は×、納豆と生卵は…

 8月に書いた「アツアツご飯に納豆はNG」は反響が大きかったようで、今回は調子に乗ってもう少し、誤解しがちな「食べ合わせ」をご紹介します。

 トマトときゅうり…きゅうりに含まれるアスコルビナーゼという酵素が、トマトのビタミンCを酸化させてしまうので「悪い食べ合わせ」です。サラダにして食べるなら、マヨネーズや酢入りのドレッシングをかけるとアスコルビナーゼの働きを抑制できます。

 わかめとネギ…これも「悪い食べ合わせ」です。ネギに含まれるリンが、ワカメに含まれるカルシウムの吸収を阻害します。一度にたくさん食べる食材でもないので深刻な問題ではありませんが、栄養吸収効率からは良くない食べ合わせです。

 納豆にネギ…○です。納豆菌の整腸作用は世界一、ビタミンB群も豊富です。ネギに含まれるアリシンはビタミンB1の吸収率を高めてくれます。また、納豆の粘り成分ナットウキナーゼは血栓を溶かす働きがあり、ネギも血栓予防効果があるので、血液サラサラの相乗効果です。納豆に含まれないビタミンCはネギが補ってくれるので、この組み合わせは抜群です。

 納豆に生卵…実はNG。納豆に含まれる栄養素の中に、美肌効果をもつビタミンB7があります。ビタミンB7は「ビオチン」とも呼ばれ、コラーゲン生成や頭皮の血行促進などの効果があり「皮膚のビタミン」とも呼ばれています。ビオチンは皮膚の炎症も改善し、美肌効果やアトピー性皮膚炎の治療にも有効です。

 ところが、生卵のアビジンというタンパク質はビオチンと強く結合して、ビオチンの吸収を妨げます。ただし、アビジンが含まれているのは卵の白身部分だけですので、納豆に生卵をかけるなら、白身は捨てて黄身だけにしてください。

 ◆筆者プロフィール 松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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