【松本浩彦医師】捻挫をしたとき、するべき4つのこと

 【Q】子供の運動会で親子リレーに参加、つい張り切ってしまい足首をひねってしまいました、対処法は?(30代男性)

 【A】捻挫というのは関節周囲にある靭帯の損傷のことで、ムチ打ち症やギックリ腰も捻挫の一種です。関節が有る場所の全てに起こり得ます。

 一番多いのは足首の捻挫です。大部分は足の裏を内側に向ける「内反」という動きによって起こり、足首の外側に付いている靭帯を痛めます。通常は靭帯が伸びただけの状態ですが、靭帯の一部が切れたり完全に断裂した場合には歩くこともできなくなります。

 治療の基本は「安静」です。とくに受傷直後が大切で、すぐに患部を冷却し4~5日のあいだ固定するのが一番です。

 レントゲンで骨折がないというと、患者さんはみな「良かったぁー」と安心します。しかし、通常の骨折は4週間で治りますが、捻挫はもっと時間のかかることが多いのです。

 骨折の場合は否応無しにギプスを巻かれますので、患部の安静は保たれますが、捻挫の場合は少々痛みがあっても皆さんギプスを嫌がり、無理をします。このため余計に治りが悪くなるのです。

 捻挫はストレッチ運動や柔軟体操をすることで予防できる確率が断然高くなります。準備運動をバカにしてはいけません。充分に行って下さい。

 さて、打撲にせよ捻挫にせよ、やってしまったら、72時間は「冷やす」ことです。そしてしっかり絆創膏や弾性包帯でテーピングして傷を「圧迫」しておきます。これで外傷後の内出血が防げるのです。

 さらに、ケガをした部位を心臓より高く上げておくこと。つまり「挙上」。ケガをした部位では出血が起こっていますし、さらに損傷した部位にめがけて、体中から白血球や免疫細胞などが集まってきます。それとともに水分も集まってきますので、ケガをするとその部位が腫れるのです。患部の出血、腫れ、痛みを防ぐ4つの方法が先に述べた、安静、冷却、圧迫、挙上なのです。

 皆さんからよく質問されることですが【ケガをしたらまず72時間は冷やす。その後は温める】これだけは憶えておいて下さい。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)兵庫県芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、(社)日本臍帯・胎盤研究会会長。

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