チームのピンチを救った横浜・織田翔希は“真のエース”だ!

 怪物は“真のエース”だ。2回戦で試合の流れを変えるピッチングを見せた横浜・織田翔希投手(3年)だ。

 14日の日南学園戦の6回1死満塁、下川を二ゴロ併殺に打ち取ると、何度も何度も跳び上がって歓喜のガッツポーズを見せた。ネット裏からレンズを向けていた私は、併殺プレーが決まった瞬間から“怪物”にレンズを向けた。上下に激しく動く被写体を、バランスのいい構図で撮影するのは至難の業だが、何度も跳び上がってガッツポーズする怪物のお陰で、辛うじて撮ることができた。まるで優勝でもしたかのような喜びよう。裏を返せば、ここが今大会の最大の“ヤマ場”だったのかもしれない。

 6回に先発の小林が連打を浴びて無死一、二塁のピンチとなり、大歓声が甲子園を揺らし始めた。日南学園の先発・谷口も好投し、ロースコアの戦いとなっただけに、なんとしても勝ち越しを阻止したい場面だった。マウンドへ向かったのは、背番号1。4回に小林が同点タイムリーを打たれた際に、伝令としてマウンドへ上がったが、今度は左手にしっかりとグラブをはめている。ざわめくスタンド。投手交代のアナウンスが告げられると、球場全体が大歓声に包まれた。

 3番の田中を満塁策で敬遠。打席に迎えるのは4番の谷口。スタンドの興奮はヒートアップ。初球の外角高めのストレートが、いきなり153キロを記録すると、スタンドがどよめいた。試合中にキャッチボールしかしていない背番号1が、いきなりトップギアで投げている。146キロの内角ストレートでファウルを打たせ、ど真ん中のストレートで空振りを奪った。スコアボードに表示された、甲子園歴代最速の「156キロ」にスタンドが大興奮。球場の空気をわずか3球で変えると、155キロのストレートで見逃し三振を奪った。そして1死満塁、下川を二ゴロに打ち取りチームのピンチを救った。

 トップギアで投げている怪物を見たのは初めてだった。絶対に勝ち越しを許さない、という気迫がみなぎっていた。満塁策という“背水の陣”でこれ以上ないピッチング。球場の空気を、試合の流れを変える、真価が問われるマウンドで、“真のエース”の姿を見せつけた。(デイリースポーツ・開出牧)

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