夫婦愛を見せつけた。プロ１４年目でメジャー最終戦に初出場した男子ゴルフの原敏之（３４）＝ＹＡＧＯＫＯＲＯ＝だ。

　７日に行われた日本シリーズＪＴカップ最終日。通算３オーバー１９位タイでホールアウト。秋空が広がる１８番ホールの名物グリーンでキャディーの妻・理乃さんと笑顔で握手を交わした。

　最終日までにトップ１０入りし勝負をかけたいと話していた原。初日はイーブンで１５位と健闘したが、３日目は４オーバー。通算５オーバーで２２位タイに後退した。ゴルフという競技はミスをしたあとにいかにリカバリーするかが試されるメンタルスポーツ。人生に似ているからこそ応援したくなるのだが、夫婦タッグとなるとさらに感情移入してしまうのは記者だけだろうか。夫婦で力を合わせ戦う姿には、どこか親近感すら覚える。

　同大会は金子駆大、蟬川泰果らの賞金王争いが話題の中心だったが、その他の話題ものでは女子ゴルフの吉本ここねとの結婚を発表した金谷拓実。個人的には夫婦タッグで初参戦の原敏之のラウンドが気になっていた。

　最終日も変わらず仲良くラウンドする“夫婦タッグ”は、５バーディー３ボギーと出入りの激しいゴルフながら２アンダー。順位を３つ上げてホールアウト。同組の選手やキャディーと握手を交わした後、最後に笑顔でがっちり握手を交わした。少し申し訳なさそうな表情を浮かべる理乃さんに、感謝にあふれたまなざしを向ける原。この日は季節が逆戻りしたようなぽかぽか陽気だったが、ファインダー越しに激写した私の心も“ポカポカ”していた。

　昨年の同大会は河本力のキャディーを姉の河本結が務め、姉弟愛（きょうだいあい）が話題になった。人気低迷と言われる男子ゴルフだが、なかなかどうして、感情移入できるドラマは尽きない。（デイリースポーツ・開出牧）