自然発生したマンモス甲子園のウエーブを激写! スタンドが一つに 敵味方の区別なく互いの健闘をたたえ合う
究極のノーサイドを激写した。甲子園のマンモススタンドに自然発生した異例のウエーブだ。
23日に行われた第107回全国高校野球選手権大会の閉会式後のことだ。一塁側のカメラ席で撮影したデータ(写真)をパソコンで送信している時に、突如、スタンドに歓声が湧き起こった。優勝した沖縄尚学の応援団が歓声を上げているのだろうと思っていたら、その歓声がどんどん近づいてくる。パソコンのキーボードの手を止め顔を上げると、大勢の観客が次々に立ち上がってバンザイしていた。どこからともなく発生したウエーブが、ドミノ倒しのようにスタンドを回り始めた。
沖縄尚学の大応援団が陣取る三塁側アルプススタンドからセンターへ、そして準優勝の日大三の応援団が陣取る一塁側のアルプススタンドへ。さらに内野スタンドを回って再び三塁側のアルプスへ。異例のウエーブは、敵味方の区別なく互いの健闘をたたえ、友情を深めるノーサイドの精神を感じさせた。大会を通じてグラウンドに繰り広げられた球児たちのひたむきなプレーが、スタンドを一つにしたにちがいない。戦後80年の夏にふさわしい光景だった。(デイリースポーツ・開出牧)





