ロッテ・吉井理人監督 自らマウンドへ行き交代を告げる姿に“理念”を感じた
目先の結果よりも大切なことがある。それを感じさせる投手交代のシーンだった。
9日のロッテ-オリックス(ZOZOマリン)の七回だった。ロッテ・吉井理人監督(58)は、2本の2ランを打たれた2番手の坂本光士郎に、自らマウンドへ行き交代を告げた。マウンド上で呆然とする坂本に歩み寄り、尻を右手で優しくポンとたたいて直接交代を告げた。3点ビハインドの終盤に、一挙に4点を奪われたのだ。ゲームを壊したと言っても過言ではないピッチングだが、肩を落とす坂本を気遣うようなスキンシップでフォローした。
監督就任1年の今シーズン、投手交代の場面で監督自らマウンドへ行き、直接交代を告げるシーンを度々撮影した。投手出身の監督だけに打ち込まれた投手の心情は痛いほど分かるだろう。また次にマウンドに上がる投手を激励する意味もあるのだろう。そう思って見ていたが、後半戦の、首位オリックスとの直接対決での“背信投球”に対しても、一貫した姿勢で接する姿に“理念”を感じた。
シーズン前に「今日をチャンスに変える。」というチームスローガンを掲げた。佐々木朗希投手が故障で戦列離脱を余儀なくされた時には「あまり好きな言葉じゃないが、ピンチはチャンスということで、若い子たちにチャンスがある。頑張っていきたい」というコメントを残した。
日本ハムコーチ時代に、ダルビッシュや大谷を育て、ロッテでは佐々木朗希を育てた。育てることにかけては“超一流”だ。勝負に徹するために時として非情さも要求される監督業だが、コーチ時代の教訓や視点を大切にしているのだ。
目先の結果を悲観するのではなく、そこから何かを学び次に生かそう。個々の成長が、チーム力につながるのだから。そんなメッセージをファインダー越しに感じた。(デイリースポーツ・開出牧)



