【野球】阪神が12球団唯一零封負けなしの理由 劣勢時こそ「つなぐ」粘りの1点 中野・熊谷・高寺・伏見が証言

 セ・リーグ2位の阪神はここまで22勝15敗1分けと、順調に白星を重ねている。特筆すべきは今季38試合を戦い、いまだに無得点試合が一度もない点だ。球団では1986年に68試合連続得点を記録しており、38試合連続得点は40年ぶりになっている。なぜ、零封負けがないのか-。4人の選手の証言を元に、しぶとく1点を重ねられる要因をひもといた。

 重苦しい空気が漂っても、スコアボードに9個のゼロは並ばない。阪神はここまで12球団唯一、無得点試合がない。攻守の要・中野は「個々がつなぐ意識を持ちながら打席に入っている結果かなと思う」と分析。途中出場がメインの熊谷も「自分が打てば、ということじゃなくて劣勢の時こそ『次につないでいこう』という気持ちが全員に見えている」と証言した。

 球団史上、86年の69試合目が零封負けの最遅記録となっている。13日時点でチーム得点158と13犠飛はリーグ最多。29犠打は同最多タイで、136四球は12球団トップだ。その中で象徴的な試合を挙げたい。

 まずは4月5日・広島戦(マツダ)。広島先発・栗林に七回まで散発3安打と苦戦が続いた。だが1点を追う八回に先頭の代打・高寺が中前打。その後、1死一、三塁と好機を広げ、近本の左犠飛で同点とした。

 最終的にサヨナラ負けで幕を閉じた一戦。ただ完封ペースの栗林から1点を奪った事実が、打線の粘り強さを物語る。口火を切った高寺は「先頭だったので何とか塁に出ようと。打席によってですけど、基本的に積極性は失わないようにやっている」と明かした。

 5月9日・DeNA戦(甲子園)では0-0の六回1死で佐藤輝が四球で出塁。前川が中前打でつなぎ、一、三塁から木浪の中犠飛で先制点を奪った。試合は敗れたが、ワンチャンスを着実に得点に結び付けていた。

 イニング別得点は初回が最多の27得点。相手先発の立ち上がりを捉え、主導権を握っている。加えて38試合のうち、5点差以上での敗戦はわずか3試合。8日・DeNA戦は九回に8失点したが、僅差を保つ戦況が多く見られる。中野は「チームとして負けていても“まだまだいけるぞ”という雰囲気の中で、打線としてやれている」と試合中のムードをポジティブに捉えた。

 これには移籍1年目の伏見も呼応。「あまりそういう試合(大敗)がないので、粘っておけば、今のタイガース打線だったら逆転できるという部分がチームの中にある」と話し「投手陣も守備も最少失点で頑張ろうという意識はあると思う」とグラウンド上から漂う空気を感じ取っている。

 伏見はオリックス時代の21年にリーグ優勝を経験。同年のオリックスは年間4度しか零封負けがなかった。「(吉田)正尚、杉本、福田、宗と上位打線が固まっていた。そういう意味では今のタイガースとけっこう似ている」と共通項に言及。その上で「みんな自分の役割というか、やるべきことが明確だったかなと思う」と語った。

 そして「本当に難しいことをやっているイメージはないですね。みんな自分のやれることをやっている。その確率が高いチーム」と伏見は実感を込めた。個々の粘り腰と凡事徹底の積み重ねが、高い得点力の“源”になっている。(デイリースポーツ阪神担当・向亮祐)

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