【野球】大学在学中に起業、年商5億円企業の社長になった元高校球児 原点は野球での挫折

 野球に青春をかけ、喜び、悩んだ経験をさまざまな形で人生の糧としている人は多い。元高校球児で、大学在学中にセカンドキャリア育成のコンサルティング企業「パラダイムシフト」を立ち上げた塩崎智樹さん(27)もそのひとりだ。味わった挫折をチャンスに変えたきっかけについて聞いた。

  ◇  ◇

 塩崎さんの会社は、副業やフリーランスのためのスキルアップを目指す人向けに広告デザインや営業、マーケティングなどを教えている。創立6年目だが、年商は5億5千万円にのぼる。

 野球少年だった塩崎さん。しかしプレーヤーとしての道は厳しく、壁にぶつかることも多かったという。大阪市立東高では硬式野球部に所属したがなかなか上達せず、野球をやめようかと悩んだことも。父親のつながりから大阪府内で少年対象の野球塾の講師をしていた中谷仁氏(現智弁和歌山監督)らに相談したところ「優しく寄り添ってくださり、意識や普段の生活も変えることができた。人との出会いで人生って変わるなと思った」と、モチベーション向上に導かれたという。

 自分なりに努力を重ねた結果、最上級生でセカンドのレギュラーをつかんだ。2016年、3年夏の大阪大会は2回戦で大阪桐蔭に2-13で敗れた。相手は当時、1年生に根尾昂(現中日)や藤原恭大(現ロッテ)がいたスター集団。敗戦も「いい思い出になった」と当時を振り返る。

 関大に進んでからが転機だった。当初は野球を離れ、学生生活をエンジョイするつもりだった。アルバイトも経験したが「与えられた作業をこなすのがつらく、向いていないと悩んだ」と、働くことや将来に不安を抱くようになったという。

 「でもこれが自分を見つめ直すきっかけになった」と自身の性格や半生を客観的に分析しながら、自分のやりたいことを探し続けた。そんな中で、プレーヤーとしてひと区切りを付けていた野球熱が再燃。自ら撮影した高校野球の写真や試合リポートをSNSに投稿すると、みるみるうちに7000人のフォロワーが集まった。独学でネット関連の知識もつけ、卒業後のために就職活動も視野に入れていたが「SNSの反応をみると、自分の得意な情報分野を求めている人が意外と多いことに気づいた。それなら自分で事業を始める方がいいんじゃないかと思った」と、フリーランスの道を志すようになったという。

 大学卒業を待たず、3年生で起業。とはいえ、当初は試行錯誤の連続で「自分は社会人経験も、学校生活や野球部でリーダー的な位置に立ったこともなかったので、組織を運営することや人間関係に苦労した」という。同僚の協力もあり、軌道に乗るようになったのは2年ほど前のこと。現在は講師30人以上と、多くの受講者を抱えるコンサルティング企業に成長させた。

 高校野球やアルバイトで直面した壁は、のちの会社経営で役立ったという。「困難に対する考え方は野球で培うことができた。練習もきついし組織でやっていくので、いろいろある。それが今の仕事にも生きている」と振り返る。「僕が中谷さんから学んだことがきっかけで野球をやめずに3年間続けることができたように、いろんな方のセカンドキャリアをサポートすることで『自分も変われるんだ』と自信を持ってもらえればうれしい」。多くの人がポジティブに生きるきっかけになる仕事を、ともに開拓していく。(デイリースポーツ・中野裕美子)

 ◆塩崎智樹(しおざき・ともき)1998年8月1日生まれ、27歳。大阪府四條畷市出身。小学生で野球を始める。大阪市立東高から関大に進み、在学中に設立した「パラダイムシフト」の代表取締役社長。

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