【野球】阪神 限定ユニホームへの思い 選手の実用性にも配慮 “仕掛け人”営業部興行担当・阪本三千男氏が語る

 今季も多彩なラインアップで球場を熱狂させる。阪神は3月31日のホーム開幕DeNA戦(京セラ)でチャンピオンユニホームを着用するのを皮切りに、スペシャルデー限定ユニホームをシーズン中に着用する。代表的な「ウル虎の夏」や今季から始まる「STADIUM HEROES DAY」など、多くの仕掛けに携わる、営業部興行担当・阪本三千男氏にユニホームの秘密に迫った。

 2年ぶりにゴールドのタテジマが帰ってくる。昨季のリーグ優勝を記念し「伝統×王者(強さ)」をコンセプトにした、チャンピオンユニホームを6試合にわたって選手が着用する。

 前回優勝の翌年となった24年も、ホーム開幕3連戦で着用。阪本氏は「選手からもファンの方からも大好評だった」と振り返る。そのことも踏まえ、今季は京セラドームでのホーム開幕3連戦に加え、4月7日からの甲子園開幕3連戦でも着用することになった。

 このようにシーズン中、多くのイベントが組まれ、選手たちもサードユニホームに袖を通す。虎党にとっても、毎年の楽しみになっている限定ユニホームのデザインは、どのようにして決まっているのか。

 まずは、各スペシャルデー(ウル虎の夏など)ごとに5~6人ほどのプロジェクトチームを立ち上げる。そこでコンセプトと方向性を決め、メーカーに発注。提示された複数のデザインを絞り込み、監督、選手に確認。そこで出た意見を取り入れ、完成形になっていくという。

 サードユニホームとして代表的なのが、2013年から始まった「ウル虎の夏」。来場者にもユニホームが配布され、一体感を作り上げる。さらに、夏のもう一つのイベントができた。昨年大きな反響を呼んだ「B-LUCK DYNAMITE SERIES」だ。

 元々は戦後まもない時期に着用され、当時「ダイナマイト打線」と称された頃のユニホーム。昨年復活させると大好評だった。ただ、黒色を採用することには現場目線のハードルがあった。

 阪神は12~14年、18~19年とビジターユニホームに黒色を取り入れた。「普段はホームユニホームの方が圧倒的に人気でしたが、黒のビジターの時は同じくらい売れた」と迫力のあるデザインはファンに大人気。一方で複数の選手からは「とにかく暑い」と日光を吸収する黒に不評の意見が出た。そこで「チームが最優先。いいコンディションで戦ってもらいたい」とグレー基調に戻した。

 黄色に次ぐチームカラーの黒。ファンからも人気があるため、復活を模索した中、球団創設90周年の目玉企画として昨年8月、涼しい京セラドームで着用することにした。大阪開催のホームゲームで大阪タイガース時代のブラック。胸には「OSAKA」の文字が刻まれた。当初の90周年企画にとどまらず、100周年へのブランディングとして、今季も多少のデザイン変更をし、8月の京セラドームで着用する。

 新たな取り組みもある。6月5日からの楽天3連戦で行われる「STADIUM HEROES DAY」だ。昨年までは「Family with Tigers」という名称だったイベント。ターゲットはこれまでと変わらず、子どもを中心とした家族。スタジアムには、野球選手以外にも興行を支えるヒーローがいるというコンセプトだ。ユニホームの色は、甲子園の蔦や芝生をイメージした緑に。イベントの意図を、ユニホームを通じて伝えることが球団側の一番の狙いになっている。

 球団はさまざまな施策で盛り上げているが、ユニホームは野球選手の戦闘服。「何がなんでも変えるのは違う。ホームユニホームが薄れることはダメ」とバランスにも気を使う。連覇へ挑む26年シーズン。現場、裏方、ファンが一つになって戦う。(デイリースポーツ・滋野航太)

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