【野球】阪神・伏見「キャッチャーの色を出し過ぎるのは危険」投手優先、積極的コミュニケーションで連携進化
今季から阪神に加入した伏見寅威捕手(35)が、シーズン開幕を前に投手陣との連携を深めている。試合の配球面でも工夫。積極的にコミュニケーションも図り、バッテリーとしての引き出しを増やそうと試行錯誤中だ。経験豊富なベテランが、強力な投手たちと化学反応を起こしている。
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圧巻の修正だった。2日の韓国戦(京セラ)、伏見は才木とバッテリーを組んだ。初回は直球狙いの打線につかまり、4安打2失点。変化が生まれたのは二回以降だった。直球とフォークが特徴の右腕だが、スライダーを多く要求。あっさりカウントを整えると、武器の直球、フォークで勝負を決めていった。
この配球を見て、2月に行った本紙評論家・狩野恵輔氏との対談を思い出した。そこでは「ボールのチョイスが違うからキャッチャーの色が出ると思う。ピッチャーから、この球を使えたりするんだって言われるとうれしいんです」。才木のスライダーは精度も高く、昨季までも使っていた球種。それでも使い方で直球とフォークが、より生かされていると感じた。
ただ、本人はまだ手探りだったと振り返る。「いい意味で固定概念がない。才木=これみたいなのがないので、いろいろ試した感じです」。バッテリー歴が浅いからこそ、特徴の把握に努めている段階だ。
決して自分のリードを押しつけるつもりもない。「キャッチャーの色を出そうとしすぎるのは、非常に危険。あくまでピッチャー優先。結果的に周りから見て、色が出てると言われれば、そうなのかなと」。事実、コミュニケーションは欠かさない。2月のキャンプ中盤、ブルペンで初めて才木のボールを受けると、終了後には約10分間、右腕の言葉に耳を傾けた。
7日のソフトバンク戦(甲子園)では高橋と組み、昨季はほとんど投げなかったカーブを要求。「球種の中にあるので興味で」。直球やカットボール、ツーシームと速球系がメインの左腕に、新たなリードの形があるのかを確かめた。
高橋は「おぉって思いました」と驚いたという。それでも「僕人見知りですけど、すごくしゃべりやすいです」。キャンプのスタートはそれぞれ異なる場所で、時間は限られていたが、しっかり会話をした上で試合に臨んでいた。
移籍が決まってから投手陣の映像をチェックし、予習は済ませていた。キャンプ、オープン戦と今は、シーズンへ向けて感覚をすりあわせる時期。「楽しいとかはないですよ。とにかく毎日必死です」。経験豊富なベテラン捕手が、新天地で新たな風を吹かす。




