【野球】ドジャース・佐々木朗希はメジャーに復帰できるのか 週明け最終テスト 先発陣充実で厳しい戦い
右肩痛(インピンジメント症候群)のため5月から負傷者リスト(IL)に入っているドジャースの佐々木朗希投手(23)が、週明けにマイナーで4度目の調整登板に臨む。戦列復帰の可否を判断する最終テストとなる。投球内容が重視される一方で、チーム事情により復帰が見送られる可能性もあり、その動向に注目が集まっている。
佐々木が厳しい戦いを強いられている。
日米通じて初めて中5日で先発した5月9日のダイヤモンドバックス戦で降板後に右肩痛を訴えて離脱した。治療と並行して投球フォームの改善と肉体強化に着手。今月14日に実戦復帰した。
ここまでマイナー3Aで3試合に登板して防御率7・00。球数を制限されたマウンドでコントロールが安定せず、予定の投球回を投げ切れていないというのが現状だ。
ロバーツ監督が掲げる戦列復帰の必須条件は「75球」「5回」「球速アップ」の3つ。佐々木は直近26日の3Aメンフィス戦で75球を投げたが、出力を上げた四回に連打と四球で途中降板。最速は98・8マイル(約159キロ)だった。
2度目の調整登板となった20日の3Aタコマ戦で本紙などの取材に応じた右腕は、復帰の目安とされる100マイル(約160・9キロ)の球速に「今すぐ出せるかどうかは分からない」と慎重な姿勢を見せながらも「自分の中では100マイルを投げる能力があると思う」と自負をにじませた。速球を小さく動かすツーシームとカットボールの習得にも取り組んでいるが「自分は直球とフォークの投手。そこに頼る年齢でもない」とも言った。
4度目の登板では残された条件の「5回」と「球速アップ」がクリアできるかが焦点。指揮官は佐々木の今後については「来週、投げた後に決めたい」と話す一方で「彼の映像は見ていない」と意外な言葉も口にした。
どこか冷めたような口調の裏にあるのは、ド軍の先発陣にとって佐々木が不可欠な存在ではないという現実。シーズン序盤こそ故障者続出で駒不足だったローテーションは現在、山本、カーショー、スネル、グラスノーに加え、大谷と2年目シーハンの6人で形成されている。先発陣は今月、メジャー最多の月間13勝を挙げ、防御率も3・28の安定感で地区首位の原動力になっている。
今後は10月のプレーオフに向けて先発4人を絞り込む作業に入っていく。大谷でさえ配置転換が話題になる現状を考慮すれば、佐々木のローテ復帰に緊急性がないことは容易に理解できる。
メジャーでは9月1日からベンチ枠が26人から28人に拡張される。IL入りしている救援右腕コペックとマンシー、エドマン、金慧成の野手3人の復帰が近づいている。新たな2枠を誰に充てるのか。佐々木のメジャー復帰が見送られても驚きはないだろう。(デイリースポーツ・小林信行)





