【スポーツ】なぜ?バレー女子日本代表の主将・石川真佑がVNL決勝大会でギアチェンジできた理由 世界選手権に向けて必要なものとは
バレーボール女子日本代表の主将・石川真佑(25)=ノバラ=が、7月27日まで行われていたネーションズリーグ(VNL)を振り返った。決勝大会に入り、ギアを入れ直すことができた理由とは。また、22日にタイで開幕する世界選手権に向け、新生日本に必要なものとは。世界一を見据えるアタッカーが胸に秘めた思いを語った。
VNLでベスト4の結果を残した“新生日本”を引っ張ったのが主将の石川だった。決勝大会では50得点を挙げてベストスコアラーとなり「自分のプレーに集中できた。ベスト4に入れたことは、すごく自分たちの自信になった大会だった」と振り返った。
3週にわたって行われた予選ラウンドでは12試合で166得点を奪い、決勝大会でさらに勢いを加速。正念場でギアチェンジできたのは「(主将として)責任感があった」からと石川。昨夏のパリ五輪では予選リーグ敗退と悔しい思いもした背番号4は「パリ五輪ではうまく(ギアを)変えられてなくて勝ちきれなかった。同じ繰り返しをしたくないと思っていた」と、苦い記憶を気持ちの強さに変えた。
イタリアリーグのノバラで積んだ経験も生きた。バレーボールの最高峰で学んだのは、技術面に加え、常にプラス思考でいることだった。「(失敗しても)違うところで取り返すとか、あまり深く考えすぎずにできている」。日本代表のアクバシュ監督が唱えている「アグレッシブ」なバレーに、自身の経験も落とし込みながら戦っている。
主将としては若手の活躍に目を細める。特に同じアウトサイドヒッターの和田や佐藤、秋本には「それぞれが自分の役割を果たしてくれている」と評価。「途中で入る難しさは分かっているので、その中でも思い切ってやってくれていることはチームにとってすごく良い」とうなずいた。
ただ、今月22日からタイで開幕する世界選手権に向けては、まだまだ課題はある。
「チームとしての攻撃のコンビではもう一段階、精度を高めていかなければいけない」
VNL決勝大会では準決勝でブラジルに屈し、3位決定戦でも開催国・ポーランドに敗れ、悔し涙を流した。「自分が打っていく中で嫌なブロックだった。ブロックの脇を狙ってもディフェンスされてしまって、逆に攻撃されるケースもあった」と分析。開幕までの代表合宿で特訓を積む。
再び世界に挑むまで、約2週間。「(VNLでは)簡単に勝ちきることができないと経験できた。それを世界バレーにつなげて、チーム全員で準備していきたい」。雪辱を果たし、頂点に上り詰める。(デイリースポーツ・南香穂)
◇石川 真佑(いしかわ・まゆ)2000年5月14日、愛知県出身。アウトサイドヒッター。身長174センチ、65キロ。下北沢成徳高1年時に全日本高校選手権優勝。19年には18歳で日本代表に初選出された。卒業後は東レに入団。23年シーズンからイタリアに渡り、フィレンツェでプレー。昨季はノバラでプレーしCEV杯優勝。21年東京五輪、24年パリ五輪代表。兄はバレー男子日本代表の石川祐希。





