【野球】プロ初登板初先発初勝利 広島ドラ2・佐藤柳が2戦防御率0・82と好成績を残せるわけ こだわりの姿勢
広島のドラフト2位・佐藤柳之介投手(22)=富士大=が1軍のマウンドで好投を見せている。プロ初登板初先発だった6月29日の中日戦(バンテリン)で初勝利をマーク。ここまで2試合に登板し、1勝0敗、防御率0・82の好成績を残している。躍進を支えるグラブの秘密に迫った。
プロ初登板初先発だった6月29日・中日戦(バンテリン)では、6回2安打無失点の好投でプロ初勝利をマーク。7月6日・巨人戦(東京ド)でも5回6安打1失点の粘投で試合をつくり、先発投手の役割を遂行。ここまで2試合で計11イニングを投げ、防御率0・82と期待が高まる投球を見せている。その背景には細部にまでこだわる姿勢がある。
なかでも強く意識しているのがグラブだ。キャンプやオープン戦では目を引くレモンカラーのグラブを使用していたが、「先輩たちの強い球を毎日受けていたら柔らかくなりすぎてしまった」と、シーズンに入ってからは黒を基調とした日本ハム・伊藤モデルのグラブに変更。4月ごろから試合で使用している。
「自分は硬いグラブの方が好き。柔らかくなりすぎると(体に)力が入りにくい感覚がある」とこだわりを明かす。右手を高く上げる独特なフォーム。「右手の使い方が大事」と分析するように、投球時の力の伝え方を意識した結果、硬いグラブにたどり着いた。
使用しているグラブはつぶれにくい「縦型」で、硬さがしっかりと保たれるよう工夫されている。同期のドラフト3位・岡本(甲南大)からは「硬いな」と驚かれたことも。「グラブも自分の体の一部だと思っている。そこはこだわりがあります」と、単なる道具以上の思いを込めている。
「学生の時とは違って今は野球が仕事。自分のパフォーマンスを最大限に発揮するためにも、自分に合うスタイルをこれからも突き詰めていきたい」と、細部への追求も怠らない姿勢がさらなる飛躍を予感させる。
ここまで2試合で結果を残しているが、「『ルーキーだから』と言われるのは嫌。ルーキーという見られ方がなくなってからがスタートだと思う」と気を引き締める。次回は13日・中日戦(バンテリン)での登板を予定している。早くも2度目の対戦となる打線に対し、「ここから対策もされてくると思うので、そこを上回れるようにしたい」と佐藤柳。道具へのこだわりと結果への執念を胸に、1軍のマウンドに立ち続ける。
◇佐藤柳之介(さとう・りゅうのすけ)2002年11月1日生まれ、22歳。宮城県出身。179センチ、87キロ。左投げ左打ち。投手。東陵高、富士大を経て、24年度ドラフトで広島から2位指名。大学4年秋の北東北リーグで2度目の最優秀投手となり、リーグ優勝に貢献しMVPも受賞。最速148キロの直球は回転数が多くキレがいい。変化球も多彩。





