【野球】阪神・湯浅 激白「復活じゃない。生まれ変わって別人」超進化の真相とは

 昨年8月に「胸椎黄色靱帯骨化症」の手術を受けた阪神・湯浅京己投手(25)がセットアッパーに返り咲いた。今季1軍で11試合に登板し、2勝0敗、4ホールド、防御率0・00。最優秀救援投手のタイトルを獲得した2022年のような輝きを取り戻しつつあるが、湯浅は「復活じゃない。別人」と言う。手術前から何が変わったのか。進化に迫った。

 セットアッパーとして今やチームに欠かせない存在だ。25日・中日戦(バンテリン)。湯浅は同点の八回2死一、二塁からカリステを右飛に打ち取ると、右拳を握った。3年ぶりイニングまたぎも難なくこなし、11試合で防御率0・00を継続。順調に復活ロードを歩んでいるように見えるが、湯浅は首を横に振る。

 「復活ってよく言われるけど、別に復活とかじゃない。生まれ変わっているから、別人。今は成長中」

 昨年8月に「胸椎黄色靱帯骨化症」の手術を受けて、今に至るまで変化があった。「一番いい感覚だった」と振り返るのは、4月29日の中日戦(バンテリン)。七回2死二塁から板山への初球に空振りを奪い、4球目にファウルを打たせたカットボールだ。

 「カットを投げるようになって(投球の)幅が広がった」。22年から習得に励んだ同球種。昨季から本格的に実戦で投げ始めた。あえて130キロ台に球速を落とし、自慢の縦スライダーと合わせて使うことで、投球の引き出しを増やしている。「手術前に投げていた時期があったからというのもあるけど、精度と感覚がいい」と昨年との違いに手応えをにじませる。

 投球の幅が広がったことが、考え方の変化にもつながった。「前まで全部三振を取りにいくくらいの気持ちで投げていたけど、今はタイミングを外してとか。三振三振という欲が今のところはない」。22年は奪三振率10・40、23年も9・42をマークしたが、今季は7・15にとどまっている。

 直球とフォークで押すスタイルから、変化球を駆使して抑えるスタイルに変化したきっかけは手術だった。22年ごろは「(柔らかい)ふにゃふにゃなイメージ」で体をしならせて腕を振っていた。今は「日によって違う」と安定した感覚がない。その分、自分の体と相談した上で、考えるようにもなった。「その日、その日のベストで投げられるように考えながらやっている。真っすぐで抑えられる日は真っすぐで抑えるし、日によってスタイルを変えて」。感覚が一定ではないことを逆手に取り、新たな投球スタイルで臨んでいる。

 「日がたつごとに体がどんどん良くなっていって、思うように動いてきたら前みたいなスタイルに今のスタイルを重ねるのがベスト」。まだまだ進化の途中だ。一方でアツアツな気持ちは変わらない。「感情は出すし、気持ちは変わらない」。完成形の湯浅を見られる日は近づいている。

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