【野球】ヤクルト・石川はなぜ史上初24年連続勝利を達成できたのか 長寿支える3つの心

 球界最年長のヤクルト・石川雅規投手(45)は今季も元気に腕を振っている。9日・阪神戦(甲子園)では5回3失点と力投し、NPB史上初の24年連続勝利を達成した。長寿のレジェンドを支えているものは何なのか。左腕が胸に秘める3つの「心」に迫った。

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 石川のストーリーをひもとく上で、絶対に欠かせないのは「向上心」だ。自身の現役時代も含めて間近で見てきた高津監督は「貪欲ですよ彼は。欲深いというか。プレーヤーとして、すごく大事な部分だと思いますよ」と、その姿勢を褒めたたえる。

 大きな故障がないことも長寿の秘訣(ひけつ)だが、陰ながら人には見せないトレーニングと体のケアを積み重ねてきた。約5年前から登板日以外は、球場入り前にジムに寄っている。ストレッチや可動域を広げる運動をしたり、交代浴やサウナに入って体調を整えている。朝6時~7時に起床する事とともにジム通いも欠かせないルーティンだ。石川は「自己満です。サウナが好きなんで」と照れくさそうに笑うが、継続は力なりを実践している。

 現状に満足することは決してない。「もっと野球がうまくなりたい」。その思いは人一倍強い。毎年、投球フォームの見直しを行っている。「その年、その時に合ったフォームは絶対にあると思う。そこは模索しています。僕は機械じゃない。(体は)変わるので」。年齢が上がれば体に変化も起こる。いつもベストのフォームを意識しながら手探りで取り組んでいる。「何が今いいのか分からない。それも模索中です」。24年目のシーズンを迎えても「探究心」は尽きない。

 身長167センチの小さな大投手は「反骨心」の塊だ。現役時代に同僚でもあった石井投手コーチは「体が小さい分、大きな選手に負けないという思いが強いです」と証言する。負けん気の強さは人一倍だ。石川は言う。「選手でやる以上、年齢関係なく、グラウンドに立ったら45歳だから1ボール1ストライクから始まりますということはない。やれることはやっていくということ」。体や年齢のハンデは、むしろ原動力となっている。「あらがおうかなと思ってます。打破していきたい、という気持ちは現役(を続けることに)につながっています」と鼻息は荒い。

 前人未到の24年連続勝利を成し遂げ、通算200勝まで残り13勝。常に進化を求める“中年の星”の挑戦はまだまだ続く。(デイリースポーツ・ヤクルト担当 伊藤玄門)

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