【野球】日本ハム・吉田 技あり弾呼んだ“もう1本のバット” 4日オリックス・宮城から逆方向に
現役ドラフトで日本ハムに新加入した吉田賢吾捕手(24)が存在感を示している。オープン戦の猛アピールで開幕1軍をつかむと、プロ初本塁打から2試合連発。巧みな打撃技術はもちろん、オリックス・宮城から放った逆方向への技あり弾の裏には、普段とは違う“もう1本のバット”の存在があった。
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待望のプロ初アーチを放った次戦。吉田が手にとったのは、全く違うバットだった。4日のオリックス戦で宮城の外角直球を捉えた右翼ポール際への一発は、その選択から生まれた。
「いいピッチャーなので、普通に打っても打てない。普通のバットだとヘッドが垂れすぎちゃってファウルになるイメージがずっとあった」
普段は、細身で先端の方に重心があるタイプを使うが、この日は全体的に太くて重心がグリップ寄りの「丸太みたいな」タイプを使用。直球がシュート回転して逃げていく球界屈指の左腕攻略へ考えていた手を打った。それが見事にハマった。
今季からバリエーションに加えた新バット。昨季所属したソフトバンクの同僚・ダウンズが使っていたモデルを気に入り、自分でメーカーに発注した。「あまりロマンはないけど、コンタクトが勝手にできる感じ」と特徴を説明する。
普段使うトップバランス型は、スイング時にどうしてもヘッドが下がりがちになる。新たに使う型は、ヘッドが立って下がりにくい。スイングを意図的に変えるのではなく「自分では同じ動きをしているつもり」でも、バットが動きを“補正”してくれることを計算。難敵・宮城からのアーチにつなげてみせた。
吉田は桐蔭横浜大2年時から同じ型のバットを使い続けてきた。その感覚が染みついているだけに、練習での新バットの感触は「正直、気持ち良くない」という。ただ、練習で打ち込む球と、試合で対する一線級の投手の球は当然違う。「練習では気持ち良くないのを理解しているので、それはそれでよしとしておいて。試合になると、そのギャップがいい感じに埋まって合う」と、違和感もまた一つの基準にしている。
相手投手によってバットを変え、それぞれを吉田はしっかりと使いこなす。「道具に頼ってじゃないですけど」としつつ「バットの感じが違うのが良いからこそ、それを使い分けている」と意図を明かした。相手の球質、自身のスイングやその時の感覚など、さまざまな要素を考え抜いて、勝負で手にする武器を決める。新天地でのブレークが期待される24歳は細部にもこだわり抜いて、激しいポジション争いに挑んでいる。(デイリースポーツ・藤田 昌央)