【野球】楽天・岸孝之 プロ19年目で新球に挑戦する理由 球団初の40歳日本人先発勝利を導いた飽くなき探究心とは

 「楽天4-1西武」(3日、楽天モバイルパーク)

 楽天の岸孝之投手(40)がホーム開幕投手で役割を全うし、7回3安打1失点で今季初勝利。新人から19年連続勝利を飾るだけではなく、日本人先発の40代勝利は球団史上初という快挙星を挙げた。

 これまで築き上げてきた日々から、岸は一歩外の世界へ出ようとしている。昨年12月に40歳を迎え、幕を開けたプロ19年目の初挑戦だ。「やっぱこれダメだよなって言って、ただ勝手に決めつけて挑戦しなかった」。勇気を持って踏み出した新球種が“秘策”になる。

 転機になったのは昨年のシーズン最終戦。シンカーのような軌道を描く「速いチェンジアップ」を投じた。新しい球種を練習することはこれまでにもあった。だが、いつも試合で投げる前に断念。「他の球種に影響が出たり、悪くなるなら…」。常に一線を引いてきたのは岸自身だった。

 だが、今年は違う。春季キャンプからも継続的に取り組み、オープン戦でも試しながら打者の反応を探ってきた。「今年は幅を広げるためにも投げたい」と意気込み、「自分のためでもある。とりあえずやるようになったところは成長したのかな」と表情を緩めた。

 まだ手応えはない。それでも使わなければ、前に進むことはできない。「うまくいったら自信になるし、それが打たれたらもう一気に消えちゃう可能性もある。そんな繰り返しです」。昨年は3年ぶりに規定投球回に乗り、飽くなき探究心で目指すのはキャリアハイだ。「また次も岸でいきたいって思ってもらえるようなピッチングをするしかない」。新球種はその一手。進化し続ける岸に、死角はない。(デイリースポーツ・松井美里)

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