【野球】コーチ陣から見た楽天・ドラ1宗山の1カ月 活躍を確信する3つの理由とは?

 対ヤクルト練習試合で中前打を放つ宗山=24日、浦添
 先発した5試合は、すべて遊撃を守った
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 「20年に1人の逸材」と称される、楽天のドラフト1位・宗山塁内野手(21)=明大=が魅せた春季キャンプの1カ月とは-。対外試合7試合で打率・438、3打点と結果を残し続ける“金武のタマゴ”の活躍を確信する3つの理由に迫る。首脳陣の言葉から徹底解剖する。

  ◇  ◇

 例年よりも肌寒い日が続いた沖縄で、宗山は元気に1カ月を完走した。新人選手では球団初となるキャンプからのグッズ販売に、オープン戦での応援歌披露など注目度は球界トップクラスだ。激動の1カ月間を駆け抜けた新人の現在地を、首脳陣の言葉から3部門で紐(ひも)解いていく。

 まずは打撃だ。対外試合7試合で打率・438と結果を残すと同時に、出塁率は・500を誇る。20打席で空振り三振を喫したのは2打席のみ。この結果にうなずくのは後藤打撃コーチだった。「まだまだだけど」と前置きをした上で、「タイプでいったら辰己に近いところがある」と言う。

 映像で見ていたオフから、2月の1カ月間はプラスでの“裏切り”があった。「もともとちょっと非力かなって見ていたんですけど、実際そんなこともない。いいピッチャーに対応もできているし、スイング自体も癖がない。バットスピードもある」と実際の打撃に印象は大きく変わった。

 さらに辰己級と分析するのには理由があった。「軸がぶらされないところもあって、突っ込まないっていうか。だからボールを空振りとか、そういうこともそうそうない。あとは自分のポイントまでしっかり見られるから、崩されることも少ないですよ」。打席の中での新人らしからぬ落ち着きも、好材料だった。

 次に守備面だ。先発した5試合全てで遊撃を守る。要でもあるセンターラインなだけに、宗山は今キャンプで特守に割く時間も多かった。塩川内野守備走塁コーチは「ボールとの距離感が上手」とこれまで培ってきた能力を評価。「スローイングも走者がいない状況では一級品で素晴らしいものを持っている。何も心配していない」とした。

 最後に、三木監督の育成プランも後押しする。沖縄での最終戦となった24日のヤクルト戦はベンチスタート。代打で出場した九回までベンチで勉強する時間をつくった。「いろいろな視点でコーチと話しながら見てくれた。ベンチにいる意味もあった」とにんまり笑う。出場するだけでは得られないものを早くから与えた。

 注目度ばかりがどうしても先行するゴールデンルーキーだが、首脳陣からの期待に応える能力も高い。目指す開幕まで残り1カ月。さらなる高みを目指してまい進する。(デイリースポーツ・松井美里)

 ◆宗山 塁(むねやま・るい)2003年2月27日生まれ、21歳。広島県出身。175センチ、79キロ。右投げ左打ち。内野手。広陵高、明大を経て、24年度ドラフト1位で楽天から指名。明大では1年春途中からレギュラーをつかみ、2年春は打率・429で首位打者。ベストナインは4度。大学通算成績は88試合で打率・344、10本塁打、60打点。通算安打数はリーグ歴代7位の118安打。昨年3月には侍ジャパンに招集された。

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