【サッカー】J1神戸の進化とは 大迫の故障交代で際立った宮代、佐々木の存在感

 J1連覇を目指す神戸は12日現在で5位につける。FW大迫勇也(33)が7日・横浜M戦で交代するなど故障者も出ているが、明るい話題は得点ランク5位タイのFW宮代大聖(23)や、MF佐々木大樹(24)ら若手の活躍だ。大迫、武藤嘉紀(31)ら元日本代表がけん引した昨季とはひと味違う戦いをみせている。

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 ここぞの場面でゴールネットを揺らすのがストライカーの証。昨年、J1得点王に輝いた大迫は何度もこの働きで優勝に導いた。今年、その役割として期待を集めるのが宮代、佐々木ら20代の攻撃陣だ。

 宮代は川崎から今季加入。昨年はJ1でチーム2位の8得点、シュート数はチーム最多の40本を放った。今年もここまでチームトップの4ゴール(うちヘディング2本はJ1首位タイ)と期待に応えている。象徴的な活躍は7日・横浜M戦だった。0-1の後半10分にエース大迫が相手選手と接触して負傷退場し、スタジアムの空気が沈みかけた同11分。ヘディングで同点ゴールを決めた。結果的に1-2で敗れたが、期待感を抱かせる一撃だった。

 宮代が新天地で吸収しているものは大きい。ベテランから学ぶものについて「一つ一つのプレーの精度が高いし、メンタルの部分も学ぶべきものはたくさんあるので、成長できる環境だと思う」と元日本代表選手から得た技術を自分の長所と融合させている。

 大迫から1段下がった位置でセカンドボールに対応したり、大迫や武藤からのパスを受けてゴールを狙ったりと自在な攻めを見せる。「矢印をどんどんゴールに出そうと意識しているし、それが一番、相手にとって脅威。タメを作れる選手が何人もいるし、そういう選手に相手が食いついたスペースをうまく使うのが自分の仕事。人を見ながらプレーできているかなと思う」と強気かつ頭脳的な動きをみせる。大迫もシーズン前に宮代の活躍を予言していた。2月7日のインテルマイアミ戦後「大聖は前に行くパワーがすごくある。間違いなく今年のヴィッセルにとって大事なピースになる」と評価した。

 2月24日・磐田との開幕戦で1ゴールを挙げた佐々木は次の3月2日・柏戦で右太もも裏を痛め交代し、今月3日に復帰。7日・横浜M戦では競り合いに負けないフィジカルの強さを発揮したが、欠場中の1カ月間にリハビリを兼ねて筋力アップした効果だという。「ケガは歯がゆいところもあったが、自分に足りない部分を鍛え直すチャンス。進化して帰ってきた」と自信をみせる。「サコ君(大迫)に頼りっぱなしではダメ。僕ら若いFW陣がゴールを決めるチームにならないと、38試合が終わった時に優勝に届かない」と次期エースとしての自覚と責任感を口にした。

 13日は勝ち点5差で追う首位・町田戦(国立)。主力の故障というピンチを抱える中、昨年覇者は若手の活躍で進化を証明できるか。(デイリースポーツ・中野裕美子)

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