【スポーツ】大関初V霧島に期待したい師匠の“必殺技”継承 陸奥親方「オレも見たい」

 大相撲九州場所は大関霧島の優勝で幕を閉じた。春場所以来2回目、夏場所後に大関昇進と師匠の陸奥親方(元大関霧島)のしこ名を継承してからは初めての賜杯を手にした。

 「大関霧島」の優勝がアナウンスされたのは1991年初場所以来32年ぶり。鹿児島県霧島市出身の師匠は、ご当所となる九州場所では優勝がなかった。来年4月の定年を前に、最後の機会でまな弟子が念願を成就。「いろんな人から『親方は地元最後だから頑張ってくれ』とか、声をかけていただいた」と明かした霧島も、しこ名継承で九州での“地元感”が強まったようで「今年から九州場所は楽しみ」と笑顔で話していた。

 来年初場所では綱とりがかかる。陸奥親方は「肩の辺りがひと回り大きくなった。左上手をとって頭をつけてというのが、今のアイツの型。器用だし、うらやましい部分がいっぱいある」と認める一方で「引きつけはまだ弱いね。両まわしをとったら相手が動けなくなるぐらいにならないと。全然そこにはなれていない。あとは力強さだけでしょ」と課題を挙げた。

 陸奥親方は現役時代、ウエートトレーニングなどの肉体改造で軽量の弱点を克服。筋骨隆々の姿は“和製ヘラクレス”と称された。元々うまさがある霧島に師匠のような力強さが出てくれば、いよいよ横綱にふさわしい存在となってくる。

 しこ名だけでなく、霧島には“必殺技”の継承も期待したい。師匠が現役時代に何度も土俵を沸かせた、豪快なつり出しだ。陸奥親方は「やってほしいよね。つりをやったら、お客さんが沸くし」と希望。確かに九州場所6日目、錦木が北青鵬をつり出した取組では、場内はやんやの喝采だった。

 看板力士となれば、強いだけでなく華も求められる。陸奥親方は、大関昇進を決めた90年春場所では横綱千代の富士や大関北天佑相手も含めてつり出しで3勝。91年初場所でも千秋楽で横綱北勝海をつり出して初優勝を決めた。かつて自身の代名詞だった技を“2代目”が得意とするようになれば、何ともロマンのある話。陸奥親方は「オレも見たいね」と笑顔で待ち望んだ。

 初優勝から大関昇進、そして2度目の優勝に年間最多勝まで獲得した2023年。中でも、尊敬する師匠のしこ名継承は「こんなすごい名前の贈り物をもらった。これ以上いい名前はない」と、霧島にとって至上の喜びだった。さらなる高みへと向かう2024年。対戦相手を高々とつり上げて強さを示す「横綱霧島」が見られれば、土俵もより活気を帯びるはずだ。(デイリースポーツ・藤田昌央)

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