【野球】ヤクルト村上 不振の裏側にあったもの 担当記者が追った〝苦悩の1年〟とは
ヤクルト・村上宗隆内野手(23)は2022年に史上最年少で三冠王を獲得し、名実ともにNPB最強打者に駆け上がった。しかし、今季は思うように調子が上がらず、チームも5位と悔しい結果に終わった。その裏で何が起きていたのか。WBCを経て始まった今季、若き大砲がたどった苦悩の1年を担当記者が追った。
シーズンを終えた村上は、今季苦しんだ原因を「こうやってやれば打てるというのはもちろんあったんですけど、それ以上に自分のレベルアップをシーズン中に求めてしまった」と振り返った。
WBCから始まった1年だった。侍ジャパンでチームメートとなった大谷の技術やフィジカルを目の前で見て発奮しないはずがなかった。「やっぱりメジャーで活躍する選手、全部すごい。自分が若いうちに一緒にできたことは良い経験になった」。メジャー志向の村上にとって情報を得る絶好機。ダルビッシュからもトレーニングやサプリを取り入れて日本に帰ってきた。
教わったことの熱が冷めないうちに実行。それが裏目に出たのか、帰国後すぐに開幕したシーズンは出だしから苦しんだ。3、4月は25試合で打率・157、2本塁打、12打点。徐々に調子を上げていったが、序盤の不調が最終成績に響いた。
精神面での疲労もあった。杉村打撃コーチは「三冠王の翌年でプレッシャーもマークも厳しい。WBCで状態をトップまで持っていって、それをシーズンに落とし込むのは、いくら彼の強い精神力でもつらかったのかな」という。いつも気丈な村上が「疲れが抜けない」と弱音を吐く姿を見て、「俺らが計り知れないくらい苦しんでると思うよ」とおもんぱかった。
ただ、野球はすぐにリベンジができる。高津監督は「真の4番にするのが僕の仕事。少しでも近づけたい」と来季も4番に据える考えは変わらない。「彼にとってしんどいシーズンだったが、必ず成長してくれる」と期待を寄せている。
現在は下半身のコンディション不良を癒やしながら、守備練習など課題克服に向けて練習中。「戻れる居場所はあるし、自分を見失わずにシーズンを送れば必ず結果は付いてくる。反省を生かして来季はしっかり活躍できるプランも持っています」と村上。苦難を乗り越えて希代の大砲はまた一つ強くなる。(デイリースポーツ・ヤクルト担当 高石航平)





