【野球】球界の常識を覆すか 巨人・阿部新監督の革命 全体練習午後0時30分開始の根拠とは

 40代の青年監督が球界の常識を覆すかもしれない-。今季巨人は3年連続でV逸し、再建を託されたのが阿部慎之助新監督(44)だ。宮崎秋季キャンプ中は捕手目線による選手の評価法、温めてきた練習法など斬新なアイデアを繰り出している。巨人担当キャップ・伊藤玄門記者が『アベの革命』に迫った。

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 阿部新監督の一日は忙しい。練習中はキャンプ地を動き回る。時にはサブグラウンドに姿を現し、投手とキャッチボールをする。近年、巨人の監督がキャンプ中に選手とキャッチボールするのは珍しい。「あれがコミュニケーションだと思っている。たまには、若いピッチャーをピリッとさせるためにキャッチボールしようかなと思っています」。現役時代の正捕手は、朗らかな笑みを浮かべる。

 球団史上初の捕手出身監督。投手の評価法もユニークだ。ブルペンでチェックしても投球は褒めない。「ブルペンで良かったというのは言わないようにしようと思います」。捕手としてブルペンで素晴らしいボールを投げても、公式戦で結果を出せない投手を目の当たりにしてきた。「“ブルペンエース”っていっぱい見てきた。試合で投げてなんぼだと思う。あそこ(ブルペン)では一切、評価しない」。まさに捕手目線。実戦で力を発揮した投手を優先的に起用する考えなのだろう。

 選手や首脳陣として23年間、巨人一筋でユニホームを着続けてきた中、温めてきたアイデアがあった。全体練習の開始時間を午後0時30分にする“キャンプ改革”。春季キャンプに向けて試す意味合いもあり、6日の秋季キャンプで実施した。球界では午前9時~10時にキャンプの全体練習をスタートさせるのが通例。「こんなに早くからやる意味あるのかな、と思った時もあった」。午後開始ならば選手に準備をする時間の余裕も生まれる。またホームのナイター開催時、練習開始は13時前後で「ナイターの時と同じ動きができる」。公式戦の時間帯に合わせて練習することが可能になり、合理的だしメリハリもつく。

 選手には「くたくたになるまでやれって言っている」と地獄の秋季キャンプを予告した。ただし時代に合った指導法を取り入れ「練習メニューの中で、厳しさを与えないと精神修業はできない」。質と量の両方を重視するきつい練習を課し「くたくた」になるまで選手を鍛え抜いている。

 斬新な評価法やアイデアを導入し、練習はシンプルにハード。現役時代は正捕手で主将も担った4番打者。豊富な経験や知識を融合した“アベ流”は、球界に旋風を巻き起こすかもしれない。(デイリースポーツ巨人担当キャップ・伊藤玄門)

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