【野球】ロッテ・松川の現在地とは 昨季高卒1年目で開幕マスク、佐々木朗希と完全試合も 今季は4月13日に2軍落ち

 不動の正捕手を目指し、ロッテ・松川虎生捕手(19)がファームで鍛錬を積んでいる。21年度ドラフト1位で入団。22年4月10日・オリックス戦(ゾゾ)では佐々木朗の完全試合に貢献するなど、高卒1年目から1年間1軍に帯同した。だが、2年目の今季は打撃で苦戦。4月13日に自身初の2軍落ちとなった。攻守で鍛錬を積む松川の今を追った。

  ◇  ◇

 充実のルーキーイヤーだった。22年3月25日・楽天戦(楽天生命)。松川は史上3人目となる高卒1年目での開幕スタメンマスクを任され、プロとしてスタートを切った。佐々木朗との若いバッテリーでも注目を集め、76試合に出場。シーズンを通して1軍に帯同し、今後の飛躍を予感させた。

 2年目も開幕1軍は勝ち取った。ただ、昨季は2軍生活が長かった田村が復調。2年連続開幕スタメンを逃し、出場機会が減った。

 課題も露呈した。5試合で7打数1安打、打率・143。4月13日に自身初の出場選手登録抹消となり、吉井監督からは「もっと試合に出て、経験を積んで1軍に来てほしい」と告げられたという。「すごく悔しかったけど、もっと頑張らないといけないと思った」と松川。ファームでの特訓が始まった。

 福沢2軍バッテリーコーチは19歳の課題を指摘する。「1軍で戦うための専門知識がまだ足りていない」。投手の力が打者を上回っていれば封じ込めることは容易だが、力が対等ならば投手と捕手の頭脳戦となる。配球の組み立てや、状況に応じて打者のデータを処理する能力が必要だ。松川は「打者の反応や弱点をもっと肌で感じないといけない。投手の状態が悪い時にどうしていくか、配球をもっと覚えないといけない」と課題を自覚し、経験を積んでいる。

 一方で佐々木朗の球を受けた昨季の経験は、大きな財産となっている。「朗希さんは別格なのですごく(捕球が)難しいけど、1軍の皆さんの球を受けた時はすごく楽しかった。朗希さんの球を受けられて、たくさんのバッターの反応だったり、状態だったりを知れた」。“令和の怪物”の女房役として過ごした時間を糧に、飛躍を目指している。

 課題の打撃も強化中だ。1軍通算219打席で本塁打は0本。「まずは1本」を合言葉に練習に励む。特に重点を置いているのは「左ひざ」と「タイミング」。「振り遅れずに自分のポイントで打てるように」。練習では打撃に最も時間を割いているという。

 栗原2軍打撃コーチから指導を受け、2軍で調整中の荻野に助言をもらうことも。「充実した時間が送れている」。4日のイースタン・巨人戦では“プロ初本塁打”を放ち、手応えもつかみ始めた。

 目標は打てる捕手。「捕手として打てないと1軍では活躍できないし、あとは勝ってなんぼ」。一日、一瞬の経験を体に刻み、マリーンズに欠かせない戦力となる。(デイリースポーツ・南 香穂)

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