【競馬】ディープインパクト不在の種牡馬界は群雄割拠 抜け出したキタサンブラックを追うサトノクラウン

(上)17年の宝塚記念を制したサトノクラウン (下)今年のダービー馬・タスティエーラ
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 今年のダービーは“テン乗りは勝てない”のジンクスを覆し、レーン騎乗のタスティエーラが快勝。15年ダービーで3着に敗れた父サトノクラウンのリベンジを果たし、世代の頂点に輝いた。

 2着に退けた皐月賞馬ソールオリエンスが父キタサンブラック。くしくもサトノクラウンと同じ15年クラシック世代のライバルだった。17年宝塚記念ではクラウンが勝利し、ブラックは9着。同年天皇賞・秋は、ブラックが制し、クラウンは2着だった。古馬になっても激闘を繰り広げた、因縁の親子対決を制す格好になったのは非常に興味深い。

 「サトノクラウンには種馬として成功してほしい。タスティエーラがいい成績を挙げることで、いい影響があればと思っております」。皐月賞前の会見で父子ともに管理する堀師はそう語っていた。

 19年に種牡馬入りしたサトノクラウンは種付け料100万円でスタートし、今年は150万円。キタサンブラックの1000万円(23年)と比べるまでもなくリーズナブルな値段設定だ。種付け料でライバルに水をあけられながらも、世代の頂点に立つ馬を送り出したのだから、生産界にも最高のアピールとなったに違いない。

 大種牡馬ディープインパクトの急死からまもなく4年がたち、産駒の活躍が目立つドゥラメンテ産駒も現1歳がラストクロップ。今の種牡馬界は群雄割拠の様相を呈している。今のところはイクイノックスやソールオリエンスを送り出したキタサンブラックが一歩リードといったところだが、今年のダービーVでサトノクラウンの評価も急上昇するだろう。

 第90代ダービー馬について、ノーザンファームの津田朋紀場長は「(育成時代に)またがっての評価がとにかく高い馬でしたので、大事にしていこうとみんなで話していました。晩成のところがあるので、さらにまだ能力を発揮してくれるのではないかと思います」とコメントを残している。そう、父サトノクラウン最大の売りは古馬になっても強くなり続けた成長力。タスティエーラには、父の名声をさらに高めるような活躍が期待される。ダービー馬の親孝行は続く。(刀根善郎)

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