【スポーツ】早田ひな 同じサウスポー、憧れ石川佳純さんから引き継ぐ打倒中国の夢「次は私の番」

 「卓球・世界選手権」(27日、ダーバン)

 女子シングルス準決勝で、世界ランク10位の早田ひな(22)=日本生命=は、同1位で東京五輪銀メダルの孫穎莎(中国)に1-4で敗れた。日本勢54年ぶりとなる決勝には進めなかったが、17年大会の平野美宇以来、日本勢6年ぶりとなる銅メダルを獲得。準々決勝では同3位の王芸迪(中国)との死闘を制し4-3で殊勲の勝利を挙げるなど、24年パリ五輪に向けて大きな爪痕を残した。

 大会前には五輪3大会連続メダルの石川佳純さん(30)が現役引退を発表した。早田にとって、同じ左利き同士で尊敬していたレジェンド。「卓球界を引っ張ってもらった。(引退で)寂しい気持ちもあるが、左利きとして、もう次は私(が引っ張る番)なんだ」。日本のエース左腕としての覚悟を強くする一つの契機となった。

 小学生時代には石川さんのサイン会に並び、あえて左手と左手で握手してもらったこともある。ずっと憧れてきた大先輩だったが、自身もトップ選手となり「超えなきゃいけない選手でもあった」。最後の対戦となった今年1月の全日本選手権準決勝では4-0で完勝。2度目の頂点にも輝き、ラケットで成長を示し恩を返した。

 代表合宿や世界団体戦などでも活動を共にし、チームメートとして大黒柱から薫陶を受けた。「どこかで(代表選手は)みんな、『石川さんがいるから大丈夫』と思っていた部分があって、安心感があった。空気で引っ張る人がいなくなってしまったが、自分自身がそういう選手になれるように」。コート上での勝負強さだけでなく、周囲への配慮や振る舞いなど、代表選手としてのあり方を背中から学んだ。

 自身はパリ五輪代表争いで現在トップを独走しているが、「代表になることが目標ではなく、五輪に出て中国選手を倒して金メダルを取ることが目標」と言い切る。日本卓球界に初めてメダルをもたらした石川さんも果たせなかった打倒中国での金メダル。夢のタスキは、22歳の左腕に引き継がれている。(デイリースポーツ・藤川資野)

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