【野球】超人・大谷翔平の“連休”取得で、日本球界にも働き方改革が求められる
エンゼルスの超人・大谷翔平(28)の“連休”取得で、日本球界にも働き方改革が求められる。
二刀流で活躍する大谷が現地12日のナショナルズ戦(アナハイム)を欠場した。前日の同カードでは7回無失点で今季2勝目を挙げたが、12日は登板翌日のデーゲームとあって代打待機。そのまま出番がなかったため、今季12試合目にして初の“有給休暇”となった。また、13日はエンゼルスは試合がないため、試合に出たがりで有名な大谷にとっては図らずも連休となった。
エンゼルスは14日から17連戦に臨むスケジュールが組まれている。3月のWBCでは投打二刀流でフル回転し、世界一奪回の原動力となり、MVPにも輝いた。大谷はそのまま米国に残り、開幕戦からプレーしている。リカバリーを含めコンデイション維持のため今季は積極的な休養は必要だろう。実際、フィル・ネビン(52)監督も12日の登板直後に今回の起用法を説明し、大谷本人も納得しているという。
WBCで世界一に輝いた代償で、米球界、日本球界ともにアクシデントに見舞われている選手は多い。WBCでは侍ジャパンの4番として大会最多の13打点をたたき出した吉田正尚(29)だが、右ふとももの裏の張りを訴え「無理するとさらにひどくなる。チームに迷惑をかけるような状態ではできない」と12日のレイズ戦(セントピーターズバーグ)を欠場。翌13日も、試合に出場することはなかった。
レッドソックスと日本人野手では最高額の5年総額9000万ドル(約120億円)の契約を結んで入団したばかり。不慣れな環境に加え、WBCでの激闘、19連戦中というハードスケジュールでは疲労が蓄積していたとしても不思議ではない。
また、国内でプレーする選手もWBCの余波に苦しんでいる。ヤクルト・山田哲人(31)は12日のDeNA戦(神宮)の四回、三塁ゴロで一塁を駆け抜けた際に負傷して交代。出場選手登録を抹消された。さらに、西武・山川穂高(32)も9日のソフトバンク戦(鹿児島)で「4番・一塁」で先発出場したが、初回の守備で緊急交代し、そのまま出場選手登録を抹消されている。
吉田は開幕からここまで打率・216、1本塁打、6打点。山田開幕から11試合連続で「3番・二塁」として先発出場を果たしていた。だが、4盗塁はあるものの打率・220、2本塁打、6打点だ。山川も開幕から8日までの7試合は全て4番で先発したが、いまだ本塁打0と昨季のパ・リーグとしては寂しい数字だ。
開幕から試合出場は続けている史上最年少三冠王の村上宗隆(23)は13日終了時点で8打点だが、打率・225、1本塁打。WBCで2本塁打した巨人・岡本和真(26)は13日の阪神戦(東京ドーム)終了時点で、・370と高打率だが1本塁打、1打点と本来の長打力、勝負強さは鳴りをひそめている。いずれの選手も現段階では出遅れているといっていい。
今ちまたでは働き方改革が叫ばれている。選手が本来のパフォーマンスが発揮するためにはWBCの日程、日米の試合日程だけでなく、選手に積極的な休養を取らせる起用法を考える時期にきていると思う。(デイリースポーツ・今野良彦)