【野球】ロッテ・吉井新監督 投手力強化へ手腕に注目 “魔法の言葉”と、大きい黒木投手Cの存在

 ロッテは2年連続の2位から、今季こそ優勝と期待されながら、シーズン5位に終わった。チームは井口監督から吉井新監督に託された。今秋ドラフトでは1位に立大・荘司を指名し、くじ引きを外したが専大・菊地を指名できた。同等の即戦力としての期待も高く、来季の投手起用プランは。さらなる投手強化があるのか、ただ、投手強化への補強という点においての最大補強は吉井新監督にほかならないと思っている。

 21年は投手コーチの立場でグラウンドに立ち、投手を束ねて2位に押し上げた。当時の吉井コーチのピンチのマウンドでの“魔法の言葉”が大きかったと思っている。この年はリリーフ陣の評価が高かったが、実は投手防御率はというとリーグ5位。それを感じさせなかったのは逃げ切らなければいけないというゲームを拾ってきたからだ。しかし、今季は勝負どころで、救援陣が打ち込まれ、優勝への流れを失ってしまったのが敗因だと思っている。

 昨季のピンチの場面で吉井コーチがマウンドに行くタイミングは絶妙だったと感じている。どんなことを言っていたのか。「ああいう時に何か声をかけても選手はカッカしているから聞いてないんだよね」と話していた記憶がある。現役時代、リリーフとしても数々の修羅場をくぐってきただけに、何を言って落ち着かせるかは吉井監督ならではの引き出しの多さだと感じる。当時はマウンドで声をかけた後のピンチを投手陣がほとんどしのいでいたと記憶している。

 今季のロッテは交流戦以降の得点はリーグトップだった。両外国人の不振ばかりがクローズアップされたが、5位に沈んだのは投手陣の不調も大きかったように思う。来季の1軍投手コーチにマリーンズの生え抜きOB・黒木氏が就任。吉井監督、黒木コーチとも実績はあり、投手の気持ちは大いに理解している2人が加わったのは大きい。ピンチで誰が声をかけにいくのか、ここぞの場面で吉井監督自らマウンドへ行くのかは興味深い。

 日本シリーズをみるとオリックス、ヤクルトともリリーフ陣は快速球ぞろいで、いかにリリーフ陣が重要かを痛感した。今季の投手陣は本来持っている力を発揮できなかった感があるが、来季の優勝争いへリリーフ陣個々の力を、最大限発揮できるように吉井監督が手腕を発揮できるかがV争いのカギを握るとみている。(デイリースポーツ・水足丈夫)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス