【野球】ヤクルト・村上宗隆は今年の日本シリーズでどんな成績を残すのか
ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が、今年の日本シリーズに出場すればどんな成績を残すのか。今から楽しみで仕方がない。
ヤクルトは15日時点で、シーズン15試合を残し2位・DeNAに6・0ゲーム差をつけた首位。マジックナンバーも10となり、2連覇は濃厚だろう。そんなチームをシーズン当初から引っ張ってきたのは村神様こと村上の打撃だ。今季はここまで127試合に出場し打率・337、55本塁打、132打点で史上最年少、令和初の三冠王もほぼ確定といっていい。
村上がこのままの状態を維持すれば、ヤクルトがセ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)を勝ち抜き、2年連続で日本シリーズへ駒を進めるのも間違いない。
日本球界だけでなく、MLBの各球団からも注目を集める村上だが、昨年初出場した日本シリーズの成績は今ひとつだった。オリックス相手に6試合すべてに出場したが打率・217、2本塁打、3打点。彼がヤクルトファンに強烈な印象を残したのは日本一決定の瞬間にみせた号泣シーンだ。2021年シーズンは4番として打率・278、39本塁打、112打点の成績を残したが、当時21歳の若さで4番を打ち続けたプレッシャーは想像以上だっただろう。
だが、今季の村上は当時とは比べものにならないほど、心技体ともに充実している。今季は交流戦でも18試合すべてに出場し打率・351、6本塁打、13打点。ソフトバンク、オリックス、西武など対戦数が限られているパ・リーグチームの投手陣を苦にはしなかった。
ペナントレースと短期決戦の日本シリーズとは戦い方が違う。出場チームは対戦相手の弱点を徹底的に分析し、そこを突いてくる。長いシーズンならその弱点の修正も可能だが、シリーズではそうもいかない。過去、何度も日本シリーズの取材をしてきたが、嫌というほど苦手なコースを攻められて、ペナントレースでの好成績がウソのような結果に終わった打者を何人も見てきた。エース級の投手も配球や球質を丸裸にされ打ち込まれるケースも多かった。だが、苦手なコースが少なく、どんなボールも上手に打ちこなす村上に穴は少ない。
仮にヤクルトがDeNAに逆転優勝を許すことがあっても、2年連続でセ・リーグの最高殊勲選手(MVP)に輝くに違いない。村上は本塁打の日本記録の60本も更新し、打撃部門のタイトルも総なめにするだろう。だが、今季の活躍からすれば、そこに日本シリーズのMVPのタイトルが加わっても誰も驚かない。まさに国内で並ぶものがないほど優れた人物、「国士無双」と呼ばれるにふさわしい。(デイリースポーツ・今野良彦)




