ヤクルト・村上宗隆 世界の王、イチローも超える“連続MVP”への期待

 ヤクルトの主砲・村上宗隆(22)には、世界の王、そしてイチローも超える連続MVPを狙ってほしい。

 プロ野球の前半戦が終了した。セ・リーグではコロナ禍に見舞われたが、昨年の覇者・ヤクルトが、91試合を終了した56勝34敗1引き分けで2位・広島、阪神に11・0ゲーム差をつけて首位を独走。優勝マジック41を再点灯させた。

 ここまでヤクルトが盤石の強さを発揮しているのは、主砲・村上の打撃によるところが大きい。新型コロナウイルス感染症の拡大で、チームは高津臣吾監督(53)以下30人にもおよぶ大量の離脱者を出し、苦しい戦いを強いられた。だがその間、村上は4番に座りチームを支えている。打率こそ・312でリーグ5位だが、33本塁打、89打点、出塁率・449は他の選手の追従を許していない断トツの首位だ。

 このまま故障がなくペナント・レースを終えれば2年連続のリーグ最優秀選手(MVP)のタイトルに輝くのは間違いない。パ・リーグでは阪急で活躍した山田久志(73)、イチロー(48)が3年連続でこの栄誉に輝いている、だが、セ・リーグでは巨人時代、歴代最多、9回もMVPのタイトルを受賞している王貞治ソフトバンク会長(82)でさえも2年連続は3度あったが、3年連続はない。

 その他、セ・リーグでの2年連続受賞は故藤田元司元巨人監督やアレックス・ラミレス(47)、丸佳浩(33)しかいない。小笠原道大(48)も2006年、07年と連続受賞はしている。だが、06年はパ・リーグのMVP、翌年はセ・リーグのMVPだった。

 MVPの選出は記者投票によって行われる。投票資格は全国の新聞、通信、放送各社に所属し、5年以上プロ野球を担当している記者による投票で決まる。日本プロ野球の場合、リーグ最高勝率チームから選ばれることが多い。確かに戦績によっては2位以下のチームに所属する選手が選ばれることもある。BクラスのチームからのMVPは、2リーグ制後、史上最年少28歳で三冠となった1982年の落合博満(68)、40歳で本塁打・打点の二冠王となった88年の門田博光(当時南海)=(74)=、2008年の投手三冠・岩隈久志(当時楽天)=(41)=、そして13年に史上最多の年間60本塁打を記録したウラディミール・バレンティン(当時ヤクルト)=(38)=の4回しかない。

 今のチーム戦績、村上の勢いを考えれば2年連続MVPを阻む選手はいない。メジャー指向が強いとされる村上だが、まだ22歳。海を渡るのはまだ数年先になるだろう。その間、自らのバットでチームを優勝に導き続ければ、日本記録と並ぶ3年連続MVP、そして前人未到の4年連続受賞も夢ではない。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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