【野球】ソフトバンク・東浜 沖縄本土復帰50周年に沖縄の星・安仁屋宗八を超えたノーノー

 沖縄セルラースタジアム那覇の入り口にある沖縄出身者の現役プロ野球選手のパネル。東浜は下段右から3番目
沖縄セルラースタジアム那覇にある沖縄出身のプロ野球OBの名簿。安仁屋さんは左上から2番目
 西武戦でノーヒットノーランを達成し、ポーズをとる東浜(共同)
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 沖縄本土復帰50周年を目前にソフトバンク・東浜巨投手が、11日の西武戦(ペイペイドーム)で史上84人目のノーヒットノーランを達成した。沖縄出身者として初の快挙に沖縄出身プロ野球選手のパイオニアで広島、阪神で通算119勝を挙げた安仁屋宗八さんが後輩の快挙を喜ぶとともに今後の活躍にエールを送った。

 「テレビで見ただけだけど、17年に大活躍(16勝で最多勝)したときの調子に戻ったんじゃないかな。コントロールがよく、抑えるコツを覚えたと思う。高校の後輩でもあるし頑張ってほしい」

 沖縄高校から沖縄尚学へと名前は変わったが、母校の後輩の活躍はうれしいようだ。

 東浜がルーキーだった13年3月のことだった。オープン戦・ソフトバンク-広島戦を評論の仕事で訪れたとき、三塁側ベンチで広島の練習を見守る安仁屋さんのもとに右腕があいさつに来た。「頑張れよ」と背中をたたいて激励してから長い月日が流れたが、後輩の動向はいつも気にかけていた。

 安仁屋さんは現役時代、巨人キラーとして知られた。登板日は沖縄の街から人が消えるほど注目を浴びた「沖縄の星」だった。通算119勝はいまだに沖縄出身者で最多。通算57勝の東浜は、勝利数でパイオニアを超えるのは微妙だが、安仁屋さんができなかったノーヒットノーランを完遂した。

 安仁屋さんは1966年7月31日の巨人戦(広島)で九回2死までノーヒット投球を続けながら黒江透修に初安打を許し、あと一歩のところで快挙を逃している。

 プロ野球のキャンプ地として知られ、高校野球のレベルも安仁屋さんが過ごしたころとは格段と高くなっている。沖縄出身としてたった1人でプロに飛び込んでから半世紀以上がたった。「今は20人を超える沖縄出身者がプロにいる。東浜は年齢的にどうかわからんが、オリックスの宮城や西武の平良など若い投手もいる。わしの勝ち星を超えてもらわないと困る」と故郷の後輩に自身の通算勝利数の更新を願った。

 東浜は18日に沖縄セルラースタジアム那覇で行われる西武戦で凱旋(がいせん)登板の予定だ。球場入り口には野球資料館があり、安仁屋さんをはじめ沖縄出身の1軍で活躍した選手の名前と現役選手の写真パネルが飾られている。沖縄本土復帰50年を迎え、取材が殺到する安仁屋さん。「わしは沖縄でオープン戦しか投げたことがない。東浜には故郷で最高のピッチングをしてもらいたい」と沖縄での登板にもエールを送った。(デイリースポーツ・岩本 隆)

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