【野球】大勢ドラ1指名の背景に巨人の発掘力 練習も頻繁に視察

 巨人の長い歴史を大きく塗り替えそうな豪腕ルーキーだ。ドラフト1位・大勢投手(22)=関西国際大。新守護神として、プロ野球史上初のデビューから7試合連続セーブをマークし、絶大な存在感を発揮している。中央球界では無名に近かった右腕を、なぜ巨人が“ドラ1”で指名したのか-。その背景に追った。

  まさに彗星(すいせい)のごとく出現した。巨人の新人では、超異例とも言える大勢の守護神抜てき。“自己最速”158キロの豪腕で、今季は8試合に登板し1勝0敗、球団の新人では歴代最多タイの7セーブをマークするなど、欠かせない存在になりつつある。

 巨人が、本格的に大勢の密着を始めたのは関西国際大の2年に在籍していたころだった。他球団も調査を続けていた中、関西国際大の鈴木英之監督は「ジャイアンツが一番、熱心だった」と印象を語った。その点で、巨人の担当・岸敬祐スカウトの奔走を見逃すことはできない。

 岸スカウトは試合の視察だけではなく、練習が行われた大学のグラウンドに頻繁に足を運んでいた。鈴木監督は「練習もしょっちゅう来ていました。ずーっと見ていました。一番、練習を見ていたのは岸さんでした」。足を使った地道で熱心なスカウト活動は後に、実を結ぶことになる。

 大勢は20年春に右肘痛を発症し、ドラフトイヤーの昨年5月に同箇所の疲労骨折が判明した。春先には他球団も上位候補として名前を挙げていたが、右肘の故障だけにドラフト戦線で評価は割れた。それでも故障前から密着し、練習も見てきたからこそ、“大丈夫”と確信できるあるゲームがあった。

 昨年9月19日・大産大戦(ほっともっと神戸)。先発して当時の自己最速となる157キロをマークし、10回を9安打14奪三振6失点(自責2)。188球を投げ、ラスト1球で衝撃的な150キロを計測したという。この試合は新型コロナウイルスの影響で、スカウトの入場が認められていなかった。それでもピッチングの内容を把握し、登板後の経過にも問題ないことをつきとめていた。

 球団は岸スカウトの報告を受け、映像を繰り返しチェック。ドラフト前に1位は“左の隅田と、右の翁田(大勢)”という結論を導き出した。原監督は「俺は(大勢は)右でトップランク。1番」と高評価していたことを明かす。

 昨年10月のドラフト会議。巨人は、西日本工大の左腕・隅田(西武)を1位で入札し、くじ引きで外した。その後、大勢を競合のない“外れ1位”で指名。想定していなかった高評価に鈴木監督は「正直、驚きました」と語ったほどの“サプライズ”だった。

 尽力した担当スカウト、潜在能力を認めていた球団。中央球界では無名に近い存在だった大勢を巨人がドラフト1位で指名し、獲得した背景には、確かな“発掘力”があった。(デイリースポーツ・伊藤玄門)

 ◆大勢(翁田大勢=おうた・たいせい)1999年6月29日生まれ、22歳。兵庫県出身。181センチ、88キロ。右投げ右打ち。投手。西脇工、関西国際大を経て21年度ドラフト1位で巨人入団。今季は新人投手では史上初の開幕2戦連続セーブ。さらに6日・広島戦で球団新人タイの7セーブ目。9日・ヤクルト戦でプロ初勝利を挙げた。

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