【野球】巨人・大勢はNPB史上初の快挙達成の可能性大も 名将の元このまま成長を

 入団1年目の巨人・大勢(22)のNPB史上初となる新人王&最多セーブ投手のダブルタイトル獲得も夢ではない。だが、この快挙達成後にはジンクスがちらついている。

 この2試合は失点こそ許しているが、今や大勢が巨人の守護神であることは疑いようもない。彼は1986年の故ルイス・サンチェが達成した記録を抜き、新人投手としては、NPB史上初となるデビューから6試合連続セーブをマークし、その数字を伸ばそうとしている。

 シーズンは始まったばかり。登板過多や故障歴を不安視する声もあるが、このままの勢いを維持すれば、入団1年目での新人王と現行の最多セーブ投手のタイトルを受賞する初めての投手となる。

 最多セーブ投手のタイトルは、シーズンを通して最も多くセーブを記録した投手に贈られる。74年に表彰が始まったが、セ・リーグでは76年に、パ・リーグでは77年からセーブ数と救援勝利数を合計した数字であるSP(セーブポイント)が最も多い投手を対象とした最優秀救援投手に変更され、2005年に再びセーブ数のみを対象とする形に戻されている。

 入団1年目で新人王とこの最優秀救援投手をダブル受賞した投手は、セ、パ・リーグに一人ずつ存在している。セ・リーグでは90年に与田剛前中日監督が4勝31セーブの35SPを挙げ最優秀救援投手と新人王をダブル受賞した。セ・リーグでは彼しか存在しない。

 パ・リーグでは04年に当時ダイエー(現ソフトバンク)の三瀬幸司が1年目に4勝28セーブの32SPで最優秀救援投手のタイトルを受賞。28歳でプロ入りした遅咲きのルーキーとして新人王にも選出され、話題となった。95年にオリックスの平井正史も15勝27セーブで新人王とセーブ王のタイトルに輝いているが、これは入団2年目のことである。

 プロ入団1年目のシーズンで大活躍した与田、三瀬両投手だったが、翌年以降は1年目の成績を上回ることができなかった。与田は3年目こそ2勝23セーブと好成績を残したが、その後は下降線をたどった。両足首や腰痛などに悩まされ通算7年間で8勝19敗59セーブ、防御率4・58の成績を残し、現役を退いた。

 三瀬も2年目は中継ぎ、抑えとして活躍し2勝18セーブ11ホールドという成績を上げた。だが、最終的にはその後の成績は中日在籍時代も含め、通算11年で11勝13敗47セーブ45ホールド、防御率4・05でユニホームを脱いだ。

 1年目に大活躍しても、2年目以降はさまざまなリスクに見舞われる。登板過多による疲労の蓄積、故障に加え、他球団からも研究し尽くされる。大勢も無縁ではないだろう。

 だが、名将・原辰徳監督や百戦錬磨の桑田真澄1軍チーフ投手コーチは、そんなことは百も承知。3日・阪神戦(東京ドーム)ではベンチ入りメンバーから外したのもその一つ。今季もさまざまな手を打って1年間活躍させるだろう。それだけに快挙達成後に大勢がどんな飛躍をみせるのか、楽しみでもある。=敬称略(デイリースポーツ・今野良彦)

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