【野球】新庄監督が持つ“勝負強さ” 現役時代は得点圏打率・349のシーズンも

7回の球団歌に合わせて拳を握る日本ハム・新庄剛志ビッグボス=札幌ドーム(撮影・高石航平)
3枚

 パフォーマンスや名言で注目を集め続ける日本ハム・新庄剛志監督だが、派手なイメージは言動やファッションだけが要因ではない。現役時代の成績をひもとくと、ここ一番の場面で打てる抜群の勝負強さがスター性を生んだことが分かる。

 現役時代の新庄はNPB実働13年で通算打率・254。規定打席到達9シーズンながら、3割に達した年は1度もない。一方、ゴールデングラブ賞10回、ベストナイン3回と“守備の人”としてトップ選手だった。

 しかし、守備に負けぬほど「打者・新庄」の印象が強いのはなぜか。通算716打点のうち約16%の113打点を満塁機で記録。満塁成績は打率・270、7本塁打、113打点。打点の多さで好機に強い印象を残した。巨人戦で敬遠球を打ってサヨナラ打という奇想天外さだけではなく、スポットライトを浴びた要因は数字にも残っている。

 新庄の走者あり・なし、得点圏、満塁機の打率は以下(NPB実績)。

1992年 走者なし・258 走者あり・297 得点圏・297 満塁・417

  93年 走者なし・250 走者あり・267 得点圏・280 満塁・167

  94年 走者なし・212 走者あり・300 得点圏・313 満塁・333

  95年 走者なし・215 走者あり・238 得点圏・183 満塁・182

  96年 走者なし・220 走者あり・271 得点圏・349 満塁・364

  97年 走者なし・207 走者あり・264 得点圏・274 満塁・100

  98年 走者なし・248 走者あり・179 得点圏・169 満塁・077

  99年 走者なし・256 走者あり・254 得点圏・252 満塁・500

  00年 走者なし・247 走者あり・320 得点圏・319 満塁・273

  04年 走者なし・284 走者あり・318 得点圏・301 満塁・389

  05年 走者なし・224 走者あり・266 得点圏・273 満塁・286

  06年 走者なし・232 走者あり・289 得点圏・259 満塁・143

 比較対象に、NPBを代表する打者が好成績を残したシーズンの成績を挙げてみる。

 落合博満が3度目の3冠王を獲得したシーズン。

  86年 走者なし・330 走者あり・392 得点圏・380 満塁・300

 王貞治が初の自身初の三冠王を獲得したシーズン。

  73年 走者なし・289 走者あり・439 得点圏・481 満塁・375

 “満塁男”駒田徳広がキャリアハイの年間打率・314を残したシーズン。

  91年 走者なし・312 走者あり・316 得点圏・316 満塁・300

 現役時代に1シーズンも3割に届かなかった新庄が、いかに得点機で数字を伸ばしたかがうかがえる。監督となり、今キャンプで実施した独自の紅白戦はほとんどが1死満塁の状況で投打真剣勝負。「一番力む場面だし、打てば自信にもなるし。守備側も緊張する場面。ピッチャーもそう」と、勝負どころをものにする大切さを体験させた。チャンスで打つことの大切さ。第2、第3の新庄を育てる実戦は実を結ぶか。(デイリースポーツ記録室)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス