【野球】ロッテ・国吉 劇的変化はパの野球対応で変更した投球スタイル リリーフで存在感

 移籍後、リリーフとしての存在感を示した国吉
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 ロッテ・国吉佑樹投手(30)がトレードで6月に入団後、かつての剛腕らしい輝きを取り戻した。新天地では25試合に登板し、2勝2セーブ17ホールド、防御率1・44と、勝利の方程式の一角として活躍。苦しんでいたDeNA時代から移籍後に変化を遂げた要因に迫った。

 新天地でこれほど劇的に変わった投手も珍しい。DeNAでは開幕1軍入りを果たすも、1勝1敗、防御率5・14。苦しんでいた国吉がロッテに移籍後は水を得た魚のごとく活躍した。

 6月14日にトレード成立が発表され、井口監督から「勝ちゲームでしっかり使っていきたいんだ。そのためにトレードで獲ったんだ」と激励されたという。その言葉で「やってやるぞという気持ちになりました」と前向きになれた。基本は“七回の男”として起用されるも、守護神・益田が連投過多の時には抑えも務め2セーブを記録。激しい優勝争いの中、貴重なリリーフとして存在感を示した。

 劇的な変化の要因は何か。もちろん気持ちの変化だけで活躍できるほど甘くはない。実は投球スタイルを変えたことがパ・リーグでの飛躍につながった。

 初めて1軍に招集された8月上旬のことだった。「すごく大きく変えたことはないんですが、吉井(投手コーチ)さんがセ・リーグ時代の各球種の被打率の話をボソッとしてくれて、カットボールの被打率が真っすぐに比べ高かったのを教えてもらったんです。『カットの割合をちょっと減らしていけばいいんじゃないか』とボソッと。もっと直球で勝負しようかと」。

 移籍前のDeNA時代に強烈な一発を浴びていた。それは今季セ・パを通じて唯一の被本塁打で、4月9日・阪神戦で佐藤輝に浴びた右翼場外弾。甘くなった高めのカットボールを捉えられた。

 「回の先頭だったし、全く気にはしてなかった。次の試合で抑えることが大事」と振り返る国吉だが、カットボールは甘くなると痛打される可能性が高いのは実感したはずだ。それならば吉井コーチの言葉通り、直球で押せばいいのではないか-。8月27日・楽天戦から10月6日の西武戦まで16試合連続無失点。この間の最速は157キロ。自分の直球は多少甘くなっても安打されない。150キロ台中盤の直球でグイグイ押すことを意識し、強打者を抑えたのだ。

 井口監督とは不思議な縁がある。小学校低学年の時、ダイエーファンの親戚に連れられ、当時の大阪ドームでプロ野球を初めて見に行った時の本塁打が井口監督の左翼への弾丸アーチだった。「3秒もかからないライナーでレフトに飛んだ打球がすごかった。初めてお会いした時、あの時のことがすごいフラッシュバックして、頑張らないといけないなと思いました」。

 今年は惜しくも2位に終わり「来年こそは井口監督を胴上げしたい」と言う。自己最速161キロ右腕が直球でパの強打者をねじ伏せ、来季もセットアッパーとしてリーグ制覇に貢献するつもりだ。(デイリースポーツ・水足丈夫)

 ◇国吉 佑樹(くによし・ゆうき)1991年9月24日生まれ、30歳。大阪府出身。196センチ、106キロ。右投げ右打ち。投手。秀岳館から2009年度育成ドラフト1位で横浜(現DeNA)入団。11年に支配下登録。21年6月に交換トレードでロッテへ。移籍後の今季成績は25試合で2勝、2セーブ、17ホールド、防御率1・44。

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