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【野球】阪神・平田2軍監督のコメント力 その狙いは?

 いつも記者を笑わせる。「名古屋城まで飛んでいくかと思ったよ」。「関空まで飛んでいくかと思ったよ」。阪神・平田2軍監督のロハスが放った本塁打へのコメントだ。ただ、この言葉は記者を笑わせるために言うわけではない。

 指揮官のファームでの振る舞い、言動を見ていると、その節々に選手への思いが伝わる。首位を走る阪神において、2軍の役割は大きい。平田2軍監督はそれを十分に理解しているのだ。

 「中堅クラスもたくさんいる。その辺の競争も含めて、1軍の状態も含めて、育成も含めて、外国人も含めてだから。これは、腕の見せ所じゃないけどさ。慣れたもんだよ。当然、俺らの仕事。何の苦にもならないよ」

 現在、野手だけでも中堅クラスの陽川、中谷、高山、板山らが2軍調整中。若手の井上や小野寺、1年目の栄枝、高寺などもいる。そして、助っ人のロハスもその一人だ。

 平田2軍監督は積極的にロハスへ話しかける。片言の英語とボディーランゲージで会話。今では通訳なしでコミュニケーションを図ることも珍しくない。冒頭で書いたコメントは助っ人の気持ちを高ぶらせるための言葉でもあるのだ。

 この光景は昨季も同じだった。故障に苦しむマルテ、2軍降格になったボーアなど、選手の心境をくみ取り、理解し、話しかける。助っ人のモチベーションを保つのが本当にうまいと感じた。

 選手の現状を考え、言葉をかけるのは他の選手にも同じ。若手には厳しく、中堅は鼓舞する。そして、俊介や荒木らベテランの起用も見事だ。

 2人は主に試合終盤、ここぞの代打として起用される。その中で荒木は34試合に出場し、58打数18安打で打率・310。俊介は18試合に出場し、23打数7安打で打率・304と結果を残している。

 「高寺とか遠藤たちのいい見本になってくれる。荒木と俊介には姿勢というか、集中力を切らさずにしっかりやってくれている。頭が下がるよ」

 もちろん、鬼軍曹になることも…。試合後のミーティングでは時として、厳しい言葉が飛ぶ。特に高卒2年目の井上、遠藤には厳しい。井上は4番を任されながら、試合途中に代打を送られて交代。遠藤は試合前練習でバントが決まらず、永遠にバント指令が出たこともあった。

 ただ、これはミスに対して怒るのではない。姿勢や気持ちへの指摘だ。「アグレッシブさが伝わらない。気迫が無い」。こういった言葉をよく聞く。技術はコーチに任せ、指揮官はメンタルを鍛えているように感じる。

 記者の私も平田2軍監督によく指摘を受けている。「何やその質問は。もっと勉強せぇ」。“愛”のある言葉で気を引き締められてきた。選手も同じだろう。首位を走る1軍を支えるファームからの底上げ。1軍が苦しい時、2軍で鍛え上げられた選手が窮地を救うはずだ。(デイリースポーツ・今西大翔)

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