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【スポーツ】元横綱稀勢の里の荒磯部屋が独立 “一番弟子”西原は野望もビッグ

 大相撲の荒磯親方(34)=元横綱稀勢の里=が8月1日付で田子ノ浦部屋から独立し、「荒磯部屋」がいよいよ船出となる。夏場所では親方自らがスカウトした“内弟子”3人が序ノ口デビュー。中でも“一番弟子”の西原(18、本名・西原貴翔、兵庫・報徳学園高出身)に期待がかかる。

 新序出世披露では親方が現役時代に着用した漫画「北斗の拳」の三つぞろい化粧まわしを借り、同じく新弟子の谷口(15)、加藤(15)と3人でそろってお披露目された。西原は「そこは譲れなかった」と師匠と同じ「ラオウ」で登場。「ケンシロウ」と「トキ」を従えて“覇王伝説”の第一歩を踏み出した。

 「突き押し相撲を磨いて、荒磯親方(得意)の左おっつけを磨いて、突きも押しも両方めちゃくちゃ強い力士になりたい。10年後は自分のことを知らない人がいないというくらいの力士になりたい」と、野望はビッグだ。

 身長178センチ、体重122キロ。中学では伸び悩んだが、突き押しを武器に報徳学園高では1年から団体メンバー入り。全国でも勝てる程に成長した。相撲強豪大学からも誘いが来ていたが、高校2年時、インターハイ予選の終わった6月、運命を変えた。

 大学生との合同稽古に突然、引退後、間もない荒磯親方が訪れ、自身に声をかけてくれたのだ。「まだまだ伸びしろが見えないから磨けばもっと強くなる。3年で関取に上げる」、「ぜひ来てほしい。一番弟子に迎えたい」と言ってもらった。「めちゃくちゃうれしかった」と感激した。

 何度も足を運んでくれ、2人で話すようにもなった。若い頃、突き押しを磨いた親方から言われた。「まわしを取るのは後から教えられる。ガンガン突き押しを磨いているから、そこからまわしを取れるようになると強くなる。まだまだ体が大きくなる。伸びしろはいっぱい」。

 親方の指導を受ければ強くなれると確信。「この部屋と決めていた」と、角界入りの決心は早かった。

 19年ぶり日本出身横綱に日本中が沸いた。西原ももちろん、あこがれていた。「見てましたね。これはやばいと思っていた。左おっつけがすごいと。自分も意識してまねした」と、そんなスターからまさか口説かれるとは思いもしなかった。

 「ずっと出ていなかった日本出身横綱の弟子としていろんなプレッシャーはあるけれど、負けずに成績を残して親にも親方にも恩返しをしたいと思っている」と意気込んだ。

 親方は「力士一人一人を見極め、個性を伸ばす指導を心掛ける。個性を伸ばすためには基本が大事なので、基本に忠実な稽古を重視したい」と育成法を語る。相撲界には「3年先の稽古」との言葉がある。親方も「3年は基礎」と稽古場では相撲を取ることより、基礎に重点を置く。

 荒磯部屋は親方の地元、茨城県牛久市に隣接する阿見町に新設され来夏に完成メド。それまでは筑波大(茨城県つくば市)内で土俵を設置し、稽古する。

 同大はラグビーの名門。報徳学園で同じクラスだったCTB竹ノ内堅人主将が進学した。「同じ茨城仲間、頑張ろうな、と言っている」と西原。競技は違えど、互いに刺激し合っている。

 西原はデビューの夏場所、4勝3敗と勝ち越し、名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)では序二段昇進が濃厚。荒磯親方は言う。「自分は早く(17歳で)十両に上がったが、伸び悩んだ時期も結構あった。だから最終的にどこにいるかが大事。一気に上がっても、上がったら落ちないことが大事。早い遅いは関係ない」。稀勢の里はスピード出世の一方、30歳で初優勝、横綱昇進と大器晩成でもあった。育成手腕にも注目だ。(デイリースポーツ・荒木 司)

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