【ファイト】YOUは何しに日本へ?チリ人女子レスラーが戴冠!南米出身では日本初

第24代POP王者となったチリ人レスラー・AKARI
POP王座のベルトを巻くAKARI
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 地球の裏側、南米チリから日本にやってきた女子プロレスラーが、ついにベルトをその腰に巻いた。

 PUREーJ女子プロレスに所属するAKARI(27)が2月7日の板橋グリーンホール大会で、Beginning所属の谷もも(29)を下し、第24代POP(プリンセス・オブ・プロレスリング)王者となった。

 POP王座はキャリア4年以内の若手選手が争うタイトルで、歴代女王には破壊する女、松本浩代(35)=フリー=、水波綾(32)=フリー=や故木村花さん(享年22)らそうそうたる女子レスラーが名を連ねる。次世代のエースを目指すレスラーには、喉から手が出るほどほしいタイトルだ。プロレス経験がなく、縁もゆかりもない日本にやってきた、チリ・パルパライソ州サンアントニオ出身の女の子がついに、そのスターへの切符を手に入れた。

 本名ベニータ・エルゲタがプロレスラーの志したのは、YouTubeなどでプロレスリング・ノアで活躍する丸藤正道(41)の試合をみたことがきっかけだったという。その後、SNSで現在、PUREーJ女子プロレスの“覆面社長”であるコマンド・ボリショイ(年齢未公表)とつながり、日本で女子プロレスラーになることを決意したという。

 ボリショイ社長は来日した2018年当時を「SNS上のやりとりで“入門したい”とはいっていたのですが、本当にきたときは信じられなかった」と振り返る。なぜなら、来日の日時を正式には伝えてきていないにもかかわらず、突然荷物を携えて足立区にあるPUREーJ女子プロレスの道場にやってきたからだ。日本語もまったく理解できず、スマートフォンから得た情報だけを頼りに、成田空港からどうやってたどり着いたかは、いまだに謎である。

 しかも、押しかけ入門で宿泊先が決まっておらず、その日にボリショイ社長が布団一式を買い込み、道場に寝泊まりするように指示。それ以降、練習生として当時現役でもあったボリショイ社長の厳しい指導を受け、19年4月14日、板橋大会デビューを果たした。デビュー戦の相手は、AKARIのプロレスへの情熱を理解するボリショイ社長が自らの引退ロードの相手の一人として指名した。

 あれから2年足らずで「南米出身の女子レスラーが日本でチャンピオンベルトを巻いたのは初」というAKARIだが、プロレス人生はこれから。今後は、Leon(40)が巻く団体の至宝・PUREーJ認定無差別王座への厳しい道が始まる。だが、ボリショイ社長の夢は「将来は日本だけではなく、世界に通用する女子プロレスラーに育てたい」と、さらに膨らむ。チリから海を越えてやってきた女子レスラーは、チャンピオンになるため日本にやってきた!(デイリースポーツ・今野良彦)

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