楽天モバイルが新料金発表 他社との違いは?料金、サービスなど比較

 楽天モバイルは29日、スマートフォン利用料金の新プランを発表した。docomo、au、ソフトバンクの大手携帯事業3社との違いはどこにあるのか、どの部分を武器に戦っていくのかをまとめた。

 楽天モバイル(以下、楽天)の料金プランは、従来のデータ無制限で月額2980円(税抜、以下本稿の料金は全て税抜表示)だったものが、利用者のデータ使用量に応じ1GB以下の場合は1回線目が無料(2回線目からは3GB以下は月額980円)、20GBを超過すると月額2980円とするなどの4段階の自動変動制とした。

 楽天と他社との違いは、筆者が考える大きな部分では以下のようになる。

(1)料金面

 先行して発表された携帯3社のプランは、docomoとソフトバンクが20GBで月額2980円、auが月額2480円で上記2社が付けている「5分間以内の通話料金無料」を、月額500円でオプションで付けられるというものになっている。

 これに対し、楽天は20GB以内に利用データ量を抑えた場合は、1980円と税抜価格で500円、ないし1000円安い。利用データ量を3GB以下に抑えれば980円とさらに安くなり、1GB以下なら1回線まで無料。また楽天は通話に関しては「RakutenLink」というアプリを使えば、無料でかけ放題になっている。

(2)サポート面

 docomo、au、ソフトバンクの3社が2000円台の価格帯で打ち出している新料金プランは、オンライン上のみのサポート体制を前提にしている。これに対し、楽天は展開している店舗での対応も可能としており、三木谷浩史代表取締役会長兼CEOは「インターネットを使える人は安くて、インターネットが使えないから店頭に行かないと(いけないと)値段が高いというのはおかしいんじゃないのと、いうふうに思うんですよね」と会見でも語っている。

(3)自社回線のつながりやすさ

 楽天が課題としているのは自社回線エリアのカバー状況になる。三木谷氏は、今年の3月末までに「人口カバー率」(その場所に住んでいる人の人口比率で計算した割合)で80%、今夏頃に当初の計画を「約5年前倒し」して人口カバー率を96%にすると説明した。

 もう1つ、楽天が進めている計画に「スペースモバイル計画」というものがある。低軌道の衛星からの電波で、地理的にサービスエリア100%でカバーするというもの、つまり“どこに行ってもつながる”状況をつくるという構想だ。会見では実現可能性についての質問も出たが、免許の問題などはあるとした上で、楽天側からは「夢物語ではなくて、実務レベルできちんと業界全体として、今、いろいろと検討させていただいている」との回答がなされた。

 ただ、三木谷氏は現状の課題として、「プラチナバンドは必要ですね」とも語った。プラチナバンドとは電波が遠くまで届き、建物などの障害物があってもつながりやすい周波数帯のこと。三木谷氏は「正直に言って、僕もこの1年間使って2回ぐらい(楽天の回線が)入らないことがありました。すごく路地裏の隠れ家レストラン、今はレストランなかなか行けないですけど、そういうような奥の奥の奥に行ったときに、まだ、なかなか。そこはわれわれ新しい技術で解消していっているんですが」と実体験を交えて、その必要性を語った。「カバーですね。スピードじゃなくて。という意味においては、プラチナバンドがあれば、より100満点が120点満点になるということかなと思います」と、自社サービスの穴を埋めるピースになるとした。

 この原稿では紹介していない料金プランや、いわゆる格安スマホ(MVNO)という選択肢もある。各社の特徴を見極めた上で、どの会社の、どの料金プランを使うのか。自分にあったサービスが何か、よく考える時期がやってきた。(デイリースポーツ・広川継)

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